インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~
万博の出展で医療・福祉業界から注目される「HAKO BED」
プレス加工機やタップ加工機をはじめ、ロボットシステムを活用した自動化装置の開発・製造を得意とする株式会社古賀機械製作所。構想から設計、加工、組立、制御、据付、メンテナンスまでの全工程を一貫体制で担っており、多種多様な産業分野のものづくりに貢献しています。
そうしたなか、同社が医療・福祉関連で初めて手掛けた「HAKO BED(はこベッド)」が、大阪・関西万博で多くの人に注目されました。リモコン操作一つで、被介護者や患者さんが寝ているベッドから移し替えることができる装置で、介護者の身体的負担を軽減できることから、人手不足に悩む福祉業界などでの活用が期待されています。
「万博では、1週間の出展期間中に約1500人の方に試乗いただきました。なかには体重が100kg近い方もいましたが全く問題なく、思いがけず耐久テストもできたようなものでした(笑)」と古賀弘司社長。今後は、自社ブランド製品としての発売を目指し、機能の向上とともに、軽量化やコンパクト化、さらには導入しやすい価格設定に向けて、製造コストの削減を図っていきます。

▲株式会社古賀機械製作所
常務 藤井 智恵美
"作る"だけでなく、"売る"ことにも注力 販促や営業面で推進役を担って
大阪・関西万博への「HAKO BED」の出展に際し、PRや展示方法を考えるなど中心的な役割を担ったのは、藤井智恵美常務です。
古賀社長は「ものづくり企業として、これまで"作る"ことばかりに目を向け、"売る"ことを二の次にしていましたが、これからは自分たちで新しいお客様との出会いを広げていくことが重要」と語られています。その販促や営業面でのリーダー的な存在として期待されています。
以前は舞台音響の仕事に就いていたそうですが、2008年に入社してからコンピュータを使っての設計や製図に携わる一方、最近では自社ホームページや展示会での表現方法を考えるなど、"売る"ための業務に関わることが増えました。なかでも、大阪・関西万博の出展は大きな経験だったと話しています。
「業界向けの展示会と異なり、製造業のことをよく知らない来場者が多い中で、ものづくりや当社のことを広く紹介することができました。女性にも身近なHAKO BEDは、今後、ものづくり企業においても女性が活躍できる場があることを伝える入口になるように思えて人材採用面でも期待しています。また、会場で多くの介護業界の関係者から、さまざまなご意見や期待の声を聞けたことも良かったです」。

▲大阪・関西万博に、介助する側にもされる側にも負担の少ない自動移乗装置「HAKO BED」を出展。

▲各種自動化装置、ロボットを活用したシステムまで高品質な機械を製作し、現場の「困った」を解決。
次代の経営を担う一員として女性の視点から働きやすさを追求
以前から女性の活用に注力してきた同社では、4人の子どもの育児経験を持つ藤井常務が中心となり、女性がさらに活躍しやすい環境づくりを進めています。
「男女を問わず、また育児だけでなく介護も対象に、家庭と仕事が両立できるよう時短勤務や在宅勤務などの制度を整備しました」。
古賀社長が立ち上げた同社の次代を担うのは、藤井常務ら3兄弟です。「2012年に現在地へ本社工場を移転した時には、あまりにも工場が大きくなったことに少し不安を抱きましたが、器に合わせるように受注量も増え、会社も成長したことに感銘を受けました」と語る藤井常務。女性ならではの視点が、同社のめざす新たなものづくりや経営に活かされることでしょう。

▲同社では、自動タップ加工装置「カンタップ」などのオリジナル製品も販売。

▲作業効率や使い勝手を踏まえた製作により、既製品にはない使い心地と品質を実現。
(株)古賀機械製作所の人材戦略
営業や販売に注力するため広告などの異業界からも採用を
人材育成としては、ロボット関連や電気設備など、社員のスキルアップのための資格取得やセミナーの受講には積極的に投資しています。
また採用面では、営業や販売に注力するために、広告やデザイン、WEBなど異業界からの採用も検討したいと思っています。
株式会社古賀機械製作所
| 代表者名 | 代表取締役 古賀 弘司 |
|---|---|
| 本社 | 堺市美原区今井88-1 |
| TEL | 072-289-7207 |
| 設立 | 1985年創業 2000年設立 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 従業員数 | 17名 |
| 事業内容 | 自動化装置、専用機、加工機の開発・製造 |
| ホームページ | https://kogakikai.co.jp/ |
| さかしる掲載ページ | https://sakacil.com/detail/?id=15679 |









