インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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売上や営業利益など数字は全て公表 利益は社員に還元 株式会社ビー・ティ・アイ

半導体や食品関係、水処理施設など高い信頼性が求められる分野で、プラスチックやウレタンゴムの超精密加工を得意とする株式会社ビー・ティ・アイ。人材確保に悩む中小企業が少なくない中で、社員の定着率が非常に高い企業です。

半導体関連などプラスチックの超精密加工に強み

 1978年に初芝樹脂工業所として創業した当初から、プラスチックの加工を手がけてきた株式会社ビー・ティ・アイ。コンピュータ制御のNC旋盤やマシニングセンタなどの機械設備を40台以上備え、少量多品種から数千個単位の量産品まで対応しています。三次元測定機や輪郭形状測定機なども導入し、より厳密な品質管理を行っており、得意先企業から高い信頼を得ています。
 同社では創業当時から、商社などを介さずに直接営業を行い、全国に得意先を広げてきました。なかでも半導体関連の企業の多い九州エリアからの売上が、全体の半分以上を占めるまでになっています。こうして事業を広げるにあたり、重要なのが人材の確保です。
 「当社の一番多い採用ルートは『さかいJOBステーション』で、すでに約10名の社員を採用しています。直接、求職者と交流できる機会を作ってもらえるので、ミスマッチを防げるのがいいですね。会社見学の時も、最初の会社説明は私が行いますが、社内見学と質疑応答は社員に任せています。その方が求職者の方も遠慮なく質問できると考えており、当社の実像をきちんと知ってもらうことで、後の離職を回避できていると思います」と西谷則行社長。残す課題は、今後注力していきたい営業活動を担う人材の採用だとか。
 「現在の営業担当の4名中3名が新卒採用でしたが、現在は難しくなり、キャリア採用で確保できればと考えています」。



▲同社は、北海道への展開を図るため、この秋に道内で開催される展示会に出展予定。

社員のやり甲斐を重視 頑張ったことが給与に反映

 中小企業における採用難や転職による離職が大きな課題となっている中、同社の離職率の低いことが注目されます。
 その理由について、西谷社長は「経営者の一番の仕事は利益を出すことですが、あわせて社員がやり甲斐や、働き甲斐を感じられる会社にすることも大切だと思っています。経営理念の一つにも『社員全員が幸せで、やり甲斐の持てる企業となる』を掲げており、そのためにまず、売上や利益といった数字を公表しています。
 あわせて今期の目標数字を示していますが、その目標を自分事として捉えてもらうために、年に2回、4月と10月に営業利益の2割を決算賞与として社員に還元しています。社員の頭数で公平に分配しますので、管理職から新入社員まで全員が同額です。当社では毎日の受注金額と仕入れ・外注費、累積利益をボードに掲示していますが、社員たちはみんなで営業利益を出すように協力し合っており、毎年業績は伸びています」。
 加えて同社では、給与体系を明確にしていることも働き甲斐につながっているようです。
 「入社してからの3年間は教育期間と考えていますが、4年目からは社員一人ひとりをプロと見なし、年俸制を導入しています。しっかり自分を成長させて貢献したことを給与に反映させようという考え方です。ちなみに年俸制といっても、一般社員は前年から給与が下がることはありません」。


▲マシニングセンタやNC旋盤など、関西最大級の生産設備でお客様の多様な要望に応え続ける。

管理職の給与の上限額を明示 ライフプランを描きやすく

 特にユニークなのが、課長職以上の役職については上限額を定められているものの、自身のこの1年間の成果を踏まえた給与額を自己申請できることです。
 「その成果の評価ポイントは、自分自身でなく、いかに部下などまわりを成長させたかです。それを示す資料の提出とともに自己評価額を申請してもらい、取締役の了承を経て決定します。一方、取締役は経営責任があるので、業績が下がった場合は連動して給与が下がります。
 課長職以上の給与の上限額を公開していることについては、20代、30代の社員が、この会社での自分の将来像をイメージするのに役立っています。頑張れば頑張っただけの給与を申請できるので、個人的なライフプランを描くことにもつながっており、『役員をめざす』と言っている若い社員もいますよ」。
 働き甲斐を感じた社員たちからは、自分の息子や友人たちを入社させたいという申し出が寄せられるといいます。
 「経営者としては、本当に嬉しいですね。社外で自社の社員のことを悪く言うような経営者がいますが、そういうことは伝わるものです。当社の好業績も社員の頑張りのおかげ。感謝しています」。


▲社員の自発性を尊重し、ホームページのリニューアルから忘年会まで、社員による委員会が企画・運営している。
経営のキモ

同社の最大の強みは"ひと"。関西最大級の設備と自ら動く力を武器に、お客様の声を反映した多彩なものづくりを実現。半導体や食品、水処理分野で培った超精密加工技術と徹底した品質管理力を強みに成長を続けています。


株式会社ビー・ティ・アイ

代表者名 代表取締役社長 西谷 則行
本社 堺市美原区木材通1-10-8
TEL 072-362-2550
設立 1978年創業 1988年設立
資本金 2,500万円
従業員数 40名
事業内容 プラスチック・樹脂加工
ホームページ https://www.bti-2.co.jp/
さかしる掲載ページ https://sakacil.com/detail/?id=8855

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