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堺IPC PRESS 2022.10 Vol.65

PICKUP!

  • 泉北光明池専門店事業協同組合
  • 株式会社パソコンレスキューサービス

泉北光明池専門店事業協同組合

スクリーンショット 2025 11 07

「スマート化」の推進で専門店街の新たな魅力づくりを

理事長 吉田 源三

大阪府や堺市のビジョンとともにサンピアの活性化ビジョンを

泉北高速鉄道「光明池駅」の駅前にある専門店「ジョイフルショッピングサンピア」(以下、サンピア)。1979年の開業以来、地域の人たちが外食や買い物を楽しむ身近な商業施設として愛されてきました。ところが、住民の少子高齢化が進み、商圏内人口の減少が大きな課題となっています。泉北光明池専門店事業協同組合の吉田源三理事長は、「サンピアジョイカードの会員の約60%が60歳以上のシニア層なのです。お客様とともに、組合員の高齢化も進んでおり、これからサンピアをどう運営していくべきかが昨今の大きな課題となっていました」。
サンピアを運営する泉北光明池専門店事業協同組合(以下、組合)は、大阪府が開発した商業用地が分譲される際に、その受け皿として1975年に組合員52名で設立されたものです。今日では組合員も18名まで減少し、個々の事業承継も含めて組合の活性化もまた課題だったと吉田理事長は語っています。
そうしたなか大阪府や堺市では、泉北ニュータウンの活性化に向けて、さまざまな取り組みを始めています。なかでも堺市が2021年5月に策定した「SENBOKU New Design」※を実現するための「SENBOKU スマートシティ構想」は、「Live SMART Play SENBOKU~暮らし愉しむ、アソビのあるまち~」をコンセプトとしたまちづくり構想です。
組合では、この堺市のビジョンと、大阪府が2025年万博のテーマを踏まえて策定したビジョン「いのち輝く未来社会」を背景に、サンピアの活性化ビジョンをまとめました。「サンピア宣言2022」です。

※SENBOKU New Design…泉北ニュータウン地域において、新たな価値を創造し、将来にわたって多様な世代が快適に住み続けることのできる「持続発展可能なまち」を目指し、次の10 年の取組みの方向性や将来像を示した新たな指針。

スマートシティ構想の実現に向け「スマート化」の実装・実証の場に

「サンピア宣言2022」を考えるきっかけになったのは、本館の地下1階にあった遊技業が撤退したことだったと吉田理事長。「次はどのようなテナントを誘致するかという目先のことよりも、サンピアとしての明確なビジョンを改めて作るべきだと考えたのです。まず外部環境と内部環境を分析し、これからは『いいしょくじゅうのまち』として地域の暮らしを応援していこうと定めました。『いいしょくじゅうのまち』とは、『医・衣・食・住のまち』であり、『いい職・住(民)のまち』、そして『いい色(しょく)・自由のまち』ということです」。
「いいしょくじゅうのまち」を実現する事業領域を『アソビ事業』『学び事業』『医&e+事業』(eは、eの上に - を乗せたものに)とし(右図参照)、それぞれに具体的な事業計画も作成しました。まず取り組む大きなテーマは2つ。「いのち輝く未来社会」を背景とした「健康寿命」と、スマートシティ構想に基づく「スマート化」です。
「すでに2番館にはクリニックやスポーツクラブが入居しており、こうしたテナントとのタイアップによってシニア層の健康づくりに寄与したいと考えています。『スマート化』については、サンピアをスマートシティ構想の実現に向けての実装・実証の場として、シニア層のスマート化支援に取り組んでいきます。そのプロジェクト名を『やさしくスマート事業』としましたが、この”やさしく”には”易しい”だけでなく”優しい”という意味もこめており、今さら人には聞きづらい、上手に使えなかったら恥ずかしいというシニア層の気持ちに寄り添って、昔から馴染みのあるサンピアでさまざまなIT活用を体験してもらえたらと考えています」。

館内各所に設置されるデジタルサイネージで、リアルタイムにキャンペーン情報などの情報配信を行う予定。写真は設置場所の一つ本館3階。
将来的には子育て世代にも魅力ある施設づくりのデザインへ

「サンピア宣言2022」の策定では、堺市産業振興センターの「エキスパート派遣による経営力向上支援事業」を活用。スマート化の推進については「ビジネスマッチング事業」でITのプロとして㈱パソコンレスキューサービスの伊藤久美子社長を紹介いただきました。「伊藤社長にはITのプロとしてはもちろん、外部の客観的な視点と女性としての視点で的確なアドバイスをいただけるよう、引き続いてお手伝いいただくことにしました」と吉田理事長。
現在はスマート化事業を進める前の環境づくりとして、全館で利用できるフリーWi-Fiの整備のほか、組合の事務所の改装を進めています。事務所は全面OAフロアにするほか、一般の人も利用できるテレワークブースやセミナースペースを設けました。組合運営のスマート化も図るべく、全組合員にタブレットを配付して、これまで紙で回していた文書のデジタル化を実施します。
シニア層のスマート化支援については、大手キャリア4社との連携でまずスマートフォンへの乗り換えを促進するほか、実際にそれを活用することでどのように便利になり楽しみが広がるかを学ぶ機会と場を提供していきたいと吉田理事長。「サンピア集合のウォークラリーを企画したり、カウントした歩数に応じてポイントを提供したりして健康増進にも貢献したい」と語っています。
将来的に子育て世代など若い住民が増えてきた時に、サンピアとしてどういうライフスタイルを提案できるのか、そういったことも今後デザインしていきたいと語っています。

新オフィスでは1人に1台のパソコンで、業務は全てデジタル化される。

経営のキモ

【成功のポイント】
少子高齢化と商圏内人口の減少という危機的状況の中、目先の対策に捕らわれることなく、抜本的に見直し将来ビジョンを作ることから着手。計画実行はタブレットを使い、顧客データを見える化することからスタート。できることをみんなで一歩ずつ、これがサンピア躍進への礎です。

泉北光明池専門店事業協同組合

代表者名 理事長 吉田 源三
本社 堺市南区鴨谷台2-2-1
TEL 072-299-8001
設立 1975年設立
資本金 3億8,016万円
従業員数 18名
事業内容

ファッション・コスメティック・グルメ・食料品、スポーツクラブ、クリニックなど複合型ショッピングモールの運営

ホームページ http://www.sun-pia.jp/
さかしる掲載ページ

株式会社パソコンレスキューサービス

スクリーンショット 2025 11 07

得意のITによる活性化策を総合的に提案、サポートへ 

代表取締役 伊藤 久美子

コロナ禍のデジタル化推進を手取り足取りサポート

今日のパソコンレスキューサービスを立ち上げる前、Windowsが発売された当初からパソコンのサポートに携わってきたという伊藤久美子社長。現在同社では、基本的に会員契約した法人を対象にパソコンの設定やインターネット接続をはじめ、データ移行、機器のメンテナンスなど幅広いサポートサービス事業を展開しています。
新型コロナウイルス感染症の流行で、リモートワークやオンライン会議など、かつてなかったほどデジタル化やスマート化が求められていますが、ITという言葉が世に出て久しい今日でも、それに対応できる企業がまだまだ少なかったことを実感したと伊藤社長は語っています。
「このコロナ禍で行政からもデジタル化を進めるための手厚い支援がありますが、単にパソコンを購入したりホームページを作成したりすることがデジタル化なのかといわれれば違うと思います。自社に見合ったデジタル化が何か理解している企業は多くありません。デジタル化により、10km四方だった商圏が何万kmまで拡げられるなど、どういう便益が得られるかを理解した上で活用することが大切なのです」。
会員登録制で積み重ねてきた顧客との信頼関係があるからこそ、どのようなデジタル化が最適かを総合的に提案できるのが同社の強みだと伊藤社長。最近では、デジタル化のためのどのような支援制度があるのかということから申請書の書き方までを手取り足取りサポートすることも始めたそうです。
自社でもデジタル技術を活用した新規事業を開発するにあたり補助金を活用したことで、顧客へのより具体的で実際的なサポートにつながっていると語っていました。

会員登録された法人顧客ごとに担当者をおき、不具合があった時にも迅速に対応している。
サンピアの現状を分析し、課題解決法をITのプロとして助言

「せっかく補助金を使ってパソコンやウェブカメラなどを導入されても、それが十分に活用されないのであれば、補助金の本来の狙いから外れてしまいます。申請が通った後にもシステムや機器がきちんと活用されるまでをサポートしています。例えば、工場内にウェブカメラを設置することで、自宅にいながらリモートで工場内の安全を確認できるようになったケースや、ものづくり企業が自社サイト内にオンラインショップを設けたことで自社製品の見直しやPRができたほか、社員のモチベーションアップにつながった例もあります」。
一方、光明池駅前の専門店街「サンピア」のスマート化事業に関わることになったのは、ITアドバイザーとして俯瞰(ふかん)してサンピアの現状を分析し、抱える課題の解決に思いきった視点から提案できたことが評価されたようです。
「ビジネスマッチング事業で紹介され初めてサンピアに伺う前に、近隣に住む友人や知人に利用者としての印象などをヒアリングしました。それから現地を訪ね、理事長たちの問題意識や、今後望む方向などを伺い、さまざまな課題を発見しました。まず、ITのプロからすれば、サンピアには公式サイトがあり、LINE公式アカウントも取得していますが、運営者の組合が主導して情報発信されているわけでなく、大変もったいない状態です。利用客にアピールする情報をリアルタイムに発信することが、サンピアの魅力向上につながるわけで、館内に設置するデジタルサイネージもその一つのツールです」。
現在サンピアでは、こうしたデジタル化を進めるための環境整備を行っているところですが、伊藤社長はさらにその先での大転換も提案しています。

不具合の発生した機器を持ち帰って修理などのメンテナンスも自社内で行っている。
ITとエンタメが融合したeスポーツなどが新たな起爆剤に

地域住民の少子高齢化により、顧客層も高齢化しているサンピアの現状。それを何とか打破したいと考える理事長たち組合側の要望に応えて、伊藤社長が出したプランは、遊技業が撤退した地下1階を、eスポーツやロボットコンテストなどの教育プログラムに利用しようというものです。
「eスポーツのプロのプレーヤーに聞くと、国内は会場が全く足りていないそうで、若い人たちの学びの場であるとともに、プロによるイベント会場としても活用すれば、市内外から多くの若者を呼び込むことができます。『人が集まる』は『モノが集まる』ことでもあり、新たなショップの誘致も考えられるでしょう。プログラミングやロボットというのは、教育面でも注目されている分野であり、子どもたちがその世界へ足を踏み入れる入口をサンピアが作ってはどうかと考えています」。
ところで、パソコンレスキューサービスでも補助金を活用して開発中だという新規事業は、高齢者の見守りサービスです。「子どもたちから離れて独りで暮らすアクティブシニアが対象で、スマートウォッチといったウェアラブルデバイスを利用して日常的に利用者の心拍数などのデータを取得し、異常値が出た時には家族はもちろん、登録されているケアマネジャーやかかりつけ医にも通報される仕組みです。利用者が拡大されれば、個人が特定されないビッグデータとして地域の病院や大学でも、疾病の地域特性などの研究に活用できると考えています」。
今回のサンピアのスマート化事業にアドバイザーとして参画し、以前から関心のあったエンターテインメント界とのコラボも視野に、新たな境地を開拓しつつある伊藤社長。ITの活用による可能性はまだまだ広がっていくようです。

ものづくり企業の産業システムの開発なども主な業務。

経営のキモ

【成功のポイント】
商業施設「サンピア」が抱える少子高齢化と商圏内人口の減少という課題に対し、若者を呼び込み、顧客を大きく変えるという大胆な企画案。その発想の原点には、「顧客の潜在ニーズをどう発掘し満足させるか」をキーとして、IT技術でさらに拡大発展させていく実行力。これこそがパソコンレスキューサービスの経営の本質です。

株式会社パソコンレスキューサービス

代表者名 伊藤 久美子
本社 堺市西区浜寺石津町西4-19-5
TEL 072-243-9901
設立 2001年設立
資本金 1,000万円
従業員数 10名
事業内容

情報処理サービス・情報提供サービス、情報処理システムの開発・提案、業務アプリケーションの導入支援、システム開発・導入支援、ホームページ制作など

ホームページ https://pcrs.jp/
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ミウラ化学装置株式会社

スクリーンショット 2025 11 07

「浄化」に特化した高い技術力で脱炭素社会の実現に貢献

代表取締役 三浦 紀彦

国際的なスポーツの祭典の舞台にも採用された「プール用ろ過装置」

1953年の創業来、空気や液体などを「浄化する」ことに特化して技術力を磨いてきたミウラ化学装置株式会社。とりわけ創業時から注力してきた珪藻土(けいそうど)ろ過装置については、それを転用して開発されたプール用ろ過装置「A-1フィルター」が国内におけるトップシェアを誇っており、2021年に東京で開催された国際的なスポーツの祭典の水泳競技場でも採用されました。また、新型コロナウイルス感染症の治療薬の製造プラントにも、同社の工業用ろ過装置が納入されています。
このように高い信頼性が求められる現場への納入事例が豊富であることの一番の強みを三浦紀彦社長は「計画前の段階から参画し、お客様と一緒に作り上げた最適なプランで個々に設計。さらに現場での試運転から据付までをワンストップで担えるところにあります」と語っています。例えば、脱臭装置については、計画前の現状把握のために臭気判定士の資格を持つ社員を派遣。臭いという感覚的なものを臭気指数として数値化した上で、どこまで下げるのかという目標に向けた計画を作成しています。

「良いと思ったことはすぐにやるのがポリシー」と三浦社長。「いい会社」を見学したことがヒントとなり、新社屋では全館でBGMを流すよう設計された。
世界的なテーマ「脱炭素」をビジネスチャンスとして事業を展開

最近は世界的な潮流である「脱炭素」「CO2削減」を大きなビジネスチャンスと捉え、同社が長年に培ってきた排ガス処理技術などを生かした事業開発を行っています。具体的には、バイオマス発電所から発生する臭い対策としての脱臭装置や、CO2排出が少ない地熱発電所で使用されるサイレンサーで、全国の地熱発電所に150台ほどが納められています。
また、規制強化を背景にタイやマレーシアへの排ガス処理装置や脱臭装置の納入事例も増えており、大型案件としては、中東のカタールへ一度に148台のサイレンサーを納入した事例もあります。
「『浄化』という隙間市場で70年のノウハウの蓄積があることや、全ての産業界から求められるものづくりを行っていることが創業から一度も赤字を出したことのない当社の強さにつながっていると思います」と三浦社長は語っています。

1~5ミクロンの微細粒子まで除去できる抜群のろ過精度を誇るプール用ろ過装置「A-1フィルター」。
働きやすい職場環境を目指し2023年夏には新社屋も竣工予定

ところで、同社では「良い製品は、良い職場環境から生み出される」という考えのもと、働きやすい職場づくりを進めており、「健康経営優良法人」の認定も取得しています。例えば、40歳以上の社員とその配偶者に全額会社負担でPET検査を5年ごとに実施しており、実際にガンの早期発見につながった例もあるとか。
また、良好な人間関係づくりのための「礼節ガイドライン」を制定しているほか、年に2回、社員から会社を良くするための改善提案を募集しています。会社が補助金を出してサポートしているマラソンや釣り、焚き火といった同好会も、社員の提案から誕生したものです。
手本は『日本でいちばん大切にしたい会社』大賞の受賞企業だと語る三浦社長。社員にとっての快適な職場環境を目指して新社屋を建設する予定で、車椅子にも対応できるようバリアフリーにしたそうです。創立70周年を迎える2023年8月に竣工されます。

同社では、経済的かつ環境に配慮した「触媒酸化方式」による塩素系VOC処理装置を新たに開発。

経営のキモ

【活用した事業メニュー】
■中小企業経営学舎(旧ものづくり経営大学)
日本トップクラスの「いい会社」を実際に見学したり、経営者の方からお話を伺ったりして、「どこから見ても誰から見てもいい会社」の作り方を学ぶことができました。さっそく地域清掃の実践や新社屋の建設など、良いと思ったところを採り入れています。

ミウラ化学装置株式会社

代表者名 三浦 紀彦
本社 堺市美原区木材通2-2-1
TEL 072-362-8020
設立 1953年設立
資本金 4,900万円
従業員数 105名
事業内容

工業用および水泳プール用ろ過、排水処理、脱臭、騒音防止、ミスト分離など各種装置の製造・販売

ホームページ https://www.miura-ce.com
さかしる掲載ページ