インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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既成概念に捉われない発想力で二つとないものづくり ミツヤテック株式会社

有用性とともに安全性を第一に科学的根拠を徹底的に解明

 新型コロナウイルスに明け暮れた2020年。アルコールに代わる消毒薬としてにわかに注目されたのが、次亜塩素酸水※でした。
 ミツヤテック株式会社は、2008年に弱酸性次亜塩素酸水の生成装置を独自に開発・製造しており、昨年は多くの問合せが寄せられたそうです。しかし、むやみに販売しない、それが山本善和社長の創業以来の方針です。「当社の弱酸性次亜塩素酸水生成装置『CELA』は、効果はもちろん人体にも安全であることを第一としています。だからこそ一度でも『CELA』で生成された弱酸性次亜塩素酸水を使って、効用や使い方をよく理解していただいている企業としかお取引しません」。
 「CELA」の一番の特長は、生成されたCELA水のpH値6.5を誤差領域±0.05以内という高い精度で安定させていることで、希釈せずに用いることで安全にその効果を最大限に活かせることです。「開発当初、まずこだわったのは、このpH6.5の根拠でした。医師や専門家に尋ね回ってようやく、殺菌・抗菌作用を持つ唾液のpH値だということが判明しました。それまでの生成装置の誤差領域は±0.5でしたが、医療で用いるのなら誤差領域は±0.05まで安定させないといけないと聞き、現実的には無理と言われましたが、1~2年かけて実現。その独自の製法については特許も取得しています」と山本社長。正式に医療機器として販売するために、現在は医療機器の承認に向けて準備を進めています。

※次亜塩素酸水・・・野菜の洗浄などに使われる酸性電解水で、2002年に食品添加物(殺菌料)に指定されている。台所漂白剤に使われている次亜塩素酸ナトリウムとは全く異なるもの。



▲「Clean Eco Life Antivirus」の頭文字から「CELA」と名付けられた弱酸性次亜塩素酸水生成装置

無知は強力な武器基礎理論を重視したものづくりを

 ところで、山本社長が同社を創業した経緯からユニークです。「もともと経理をしていた前の勤め先で、ある製品の開発で私のアイデアが採用されたことから、開発に携わることになりました。その会社が倒産した後も製品の供給依頼があったため、当初は外部の製造会社の協力を得て引き継いだんですが、その外注先も倒産。設備と技術者を引き受け、製造も行うようになったんです」と山本社長。子どもの頃から、手作りおもちゃを工夫したりするのが好きだったとはいえ、ものづくりについて専門に勉強したことはなかったとか。
 「私が考えるものづくりは、技術を固定せず、定説や学説にも固執しません。むしろ、基礎理論が大切。中学・高校の理科で学んだ知識が重要なんです」という山本社長の持論を裏付けるようなエピソードがあります。自衛隊が野外で使用する炊き出し用バーナーの燃焼ノズルや配管に油が詰まってすぐに故障するというので相談があった時に、故障の原因が空気を送るコンプレッサにあることを突き止めました。では、コンプレッサをなくせばいい。それまでの常識では考えられないことですが、かつて山本社長がオーストラリアで山火事に遭遇した時に、逃げてきた動物たちが酸欠で一時的に気を失うのを目の当たりにしたことを思い出したのです。わざわざ酸素を送り込まなくても、火は燃焼するために自然とまわりの酸素を取り込む。そこから2年という年月を要しましたが、全く新しい燃焼方法を開発しました。
 「無知は強力な武器」と語る山本社長の何にも捉われない自由な発想力が、同社の大きな強みのようです。



▲「今後は、弱酸性次亜塩素酸水「CELA」を医療器具の洗浄や医療空間の除菌に役立てていただきたい」と語る山本社長。
活用した事業メニュー

■エキスパート派遣事業
医療機器製造業及び医療機器製造販売業の業許可を取得するための指導をいただきました。

■マッチングコーディネート事業
弱酸性次亜塩素酸水生成装置「CELA」を医療機関に販売するために取り組むべきことを指導を受けるため、専門家を紹介いただきました。

ミツヤテック株式会社

代表者名代表取締役 山本 善和
本社堺市北区常磐町3-14-9
TEL072-255-3141
設立1996年
資本金3,000万円
従業員数10名
事業内容弱酸性次亜塩素酸水生成装置の開発・製造、融雪ボイラー・融雪システム・温水床暖房・オゾン機器・オイルバーナーのシステムの開発・製造、各種基板の開発・製造、各種加工品の設計・製造
ホームページ http://www.mituyatec.co.jp/

貸会場のご案内 TEL 072-255-0111 FAX 072-255-3570 ご案内ページはこのボタンをクリック