環境ビジネス情報発信 コラム

環境ビジネス情報発信 コラム Vol.9

さかいIPC環境ビジネス研究会
環境ジャーナリスト 富永 秀一
富永 秀一氏

Vol.9「省エネ(4)夏の電力ピーク対策②」

困難になった原発再稼働

正直私は、原発の再稼働がここまでの大問題になるとは思っていませんでした。しかし、現実には強い抵抗を感じている人がかなりいますし、九州電力のやらせメール問題が火に油を注ぎ、さらにストレステストの一次評価をクリアする事が条件となりそうですから、再稼働は、できるとしても結構先になりそうです。

いよいよ関西電力管内でも、供給力不足の可能性が出てきました。

しかし、関西電力が求めている、「7月1日から9月22日の平日9時から20時までの間、原則として、すべてのお客様に15%程度の節電を」という長期間、長時間、一律の要請は、合理的ではありません。

あくまで、ピーク時の電力需要をまかなえるかが問題なのですから、今も行われている、翌日、当日の電力需給の予想を知らせる「でんき予報」に加え、当日、その日に設定したピーク時供給力に対して、電力需要が95%に達したら「注意報」、97%に達したら「警報」といった警戒情報を出す事にして、その伝達方法を定めておけば良い話です。

実際には、ピーク時供給力は、関西電力が決めた、その日の供給力の目安であって、一時的には揚水発電の追加稼働や、自家発電も含む他社に一層の電力融通をお願いするなど奥の手がありますから、100%を超えたら即停電という訳ではありませんが、逆に、大型火力発電所で急にトラブルが発生して、対応が間に合わない、といった事があると、100%に達していなくても停電が起きるリスクはあります。

そこで今回も、電力ピーク対策に関する追加情報です。

「計画停冷」の前に日射対策

前回、オフィスのフロアや工場ごとにグループ分けし、交代で空調を止める、「計画停冷」という方法をご紹介しました。

しかし、この方法が効果を上げるには、空調を停止している間の温度上昇が大きくない事が条件になります。あまりに室温が高くなると、次に空調を入れた時の消費電力が多くなりすぎるためです。そもそも、室温が31度、32度にもなると、仕事の能率が落ちてしまいます。

もし、15~30分空調を止めただけで28度から3度も4度も上がるようであれば、建物の断熱性、気密性が非常に悪いか、日射対策が不十分である事が疑われます。

例えば、我が家の場合、国内の住宅の省エネ基準で最も厳しい、次世代省エネ基準を超える断熱、気密性能にしており、日射対策もしているため、朝7時に28度に冷やした室温は、猛暑の日でも空調を切った状態で、31度に達するまで約10時間かかります。

つまり、我が家では昼間の電力ピーク時にエアコンを付けずに済むのです。

ここまでではなくても、せめて30分くらいは空調を止めても温度上昇を1度以下に抑えたいものです。

温度上昇が激しい時は

空調を止めた時の温度上昇が激しい理由として、建物の断熱性や気密性が低い事が疑われる場合、改築できれば良いのですが、それは簡単ではありません。

比較的短期間にできて効果が大きいのが、内窓を取り付ける事です。特に、ペアガラスのタイプなら、断熱性が高い空気層が、外の窓と内窓の間、さらに内窓内と、二重にできますから、一枚ガラスの時とは雲泥の差で、空調が効きやすく、室温を保ちやすくなるでしょう。

日射対策が不十分な場合、改めて、コラムのVol.5「省エネ(1)空調対策」にある、「日射を制御する」の項をご覧下さい。

ひさし、オーニング、よしず、すだれ、緑のカーテンなど、窓の外で日射を防ぐ事が重要です。

「霧吹き」やってます
マイ霧吹き

写真1 「マイ霧吹き」
今はスズランのオイルを使っています。
外出中温まらないよう保冷カバーに入れています。

前回、霧吹きの活用をご提案しました。私自身も、"実践派環境ジャーナリスト"ですから、霧吹きにアロマオイルを垂らして、暑い時、血管が集まっている首筋や脇、面積が広い胸のあたりにスプレーして、涼しく過ごしています。

注意点として、アロマオイルはほんの少しで良く効きますから、数百ccの水に対してであれば、1滴で十分だと思います。多すぎると肌を刺激しますし、臭いがきつくなります。

また、衛生上問題があるといけませんから、水は毎日取り替えましょう。

それから、お腹や肩は、冷やさない方が良いでしょうから、かけない方が無難です。

室外機にも霧吹き、打ち水を

ちなみに、空調機器の室外機にも、「霧吹き」をすると効果的です。もちろん、アロマオイルは抜きですが。エアコンは、室外機の所で熱交換をしていますから、室外機周辺の熱を奪うことで、空調の効率がアップするという訳です。

室外機は、屋外で使用できるよう作られていますから、多少であれば、水をかけても大丈夫です。自動的に、数十秒~数分おきに噴霧してくれる装置もあります。人手でやる場合、装置が大きいと霧吹きぐらいでは間に合いませんから、室外機の周りに打ち水をすると良いでしょう。

シール作戦

図1 「シール作戦」の色分け例

シール作戦

前回、各コンセントに繋がっている機器をチェックしましょうと申し上げましたが、その応用編です。

チェックした上で分類して、プラグの所に、一目で分かるようシールを貼っておくのです。

例えば、滅多に使わないのに差しっぱなしのものがあれば、それはすぐに抜いて青色のシールを貼るのです。できれば、何のプラグかも書いておくと良いでしょう。

電力の需給がいよいよ厳しくなり、対応が必要になった時、すぐ抜いても問題ないものは緑色、パソコンや、プリンターなど、本体の電源を切った上で抜いていいものは黄色。

サーバーやルーターなど、ピーク時でも抜いてはいけないものは、赤色といった感じでいかがでしょう。

こうして準備しておけば、いざという時に混乱なく対処できるのではないでしょうか。

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