環境ビジネス情報発信 コラム

環境ビジネス情報発信 コラム Vol.7

さかいIPC環境ビジネス研究会
環境ジャーナリスト 富永 秀一
富永 秀一氏

Vol.7「省エネ(2)照明対策」

日光の利用は要注意

東日本大震災と福島第一原発の事故による電力不足は、火力発電所の復旧や揚水力発電の活用、様々な企業からの自家発電による電力供給、そして節電の努力等によって、どうやら深刻な事態は避けられそうです。

しかし、企業にとって省エネは、かけるコストに見合う限り、経費節減、CO2削減に繋がり、やって損のない事ですから、引き続き取り上げたいと思います。今回は照明対策です。

私が取材したオフィスや工場で時々見られたのが、昼間、陽の光を利用する方法です。

オフィスのうち、窓に近い部分の電気を消したり、工場の屋根に天窓を設けて、照明を減らしたりするのです。

ただし、この方法、夏は要注意です。日射によって冷房の負荷が高まる為、せっかく、照明の電気を節約しても、空調による消費エネルギーの増加分が上回る可能性があるからです。

実際の所は、窓の大きさ、位置、断熱性、照明や空調設備の種類等によって違ってくるため、フロアによって、或いは日によって、太陽光を取り入れて照明を消した場合と、日射を防いで照明を付けた場合でどちらの消費エネルギーやコストが高くなるか計測してみると良いと思います。

細かく制御する
蛍光灯用反射板

蛍光灯用反射板

写真1、2 蛍光灯用反射板

不要な場所の照明を消す。これも良く行われている方法です。

例えば、従来は少ないスイッチで、その場所の複数の照明をまとめて点けたり消したりしていたのを改め、一つ一つの器具に、プルスイッチの引きひもをつけ、不在にする時には、持ち場の近くの明かりを消すルールにしている企業もあります。さらには、ひもに担当者の名前を明記し、責任の所在を明らかにしている所もあります。

そうした手動によらず、人が近づいた時だけ点く人感センサー付きの照明器具を利用する所も増えています。センサーの消費電力は1W以下の物が多いので、トイレや階段、廊下等、一時的に照明が点けば良い場所での使用は効果的です。ただし、蛍光灯の場合、頻繁に点灯、消灯を繰り返すと、寿命が短くなるため、数分以内に次々と人が来るような場所では、かえって、点灯を続けた方が器具も含めたコストは抑えられる可能性があります。

光を反射する

照明器具に反射板を取り付ける方法もあります。通常の蛍光灯用器具では、蛍光灯から天井側に向かった光の60%程度しか反射されませんが、90%以上の光を跳ね返す反射板を取り付ければ、より効率よく光を利用できます。

同じ明るさを得るために必要な蛍光灯の本数が減れば、その分、省エネになるというわけです。

LED照明に替える

照明器具の新設、交換をする場合は、今注目のLED照明に替えるのも、若干注意は必要ですが、有効な手段でしょう。

LEDは、消費電力が少なく、長寿命の照明器具として期待が高まっています。

しかし、まだ、メーカーや商品による性能の違いがかなりあるのが現状です。例えば消費電力は、省エネ型蛍光灯と比較して、半分程度ですむものもありますが、数割少ないだけ、或いは実際に測定してみるとほとんど変わらないものまであります。

寿命についても、4万時間持つはずが、1年程度(24時間点灯でも1万時間いきません)で切れてしまうという例もあります。

これは熱対策がうまくいっていない製品で起きがちです。LEDは熱を出さないと思っている方もいますが、球の方ではなく、基板の方が普通、発熱します。この熱を効率よく逃がす事ができないと、基板を構成している部品の傷みが進んで、予想以上に短寿命になってしまうのです。

発熱しないLEDを使った植物工場に関する講演

写真3 発熱しないLEDを使った植物工場
に関する講演

講演内容がご覧いただけます。
USTREAM

 

なお、昨年、この環境ビジネス研究会で、(株)ベジットが、基板が熱を出さない植物工場用LED等について事例発表して下さいましたが、昨年末、直管型のLEDの開発に成功しています。まだサンプル出荷の段階ですが、40W型で消費電力が15~20W、寿命は6万時間との事。期待が高まります。

LED照明をビル、工場等で大量購入される場合は、まず一部にサンプルを設置してもらい、明るさ、照らされる範囲、実際の消費電力等をチェックしましょう。

そして、必要な場所で数万時間、あるいは数年間など、一定の長期間使った場合に必要となる本数の購入代金、そして電気代を合わせたトータルコストを、省エネ型蛍光灯、他のLEDの製品とも比較した上で決定すると良いと思います。

しかし、それでも寿命については実際に使ってみなければ確かめられないリスクがあります。そこで、様々な業者が始めているリース方式で導入すれば、もし寿命が短くても交換させれば良いですし、高くなりがちな初期費用の負担も大幅に抑えられます。

実際に導入したところ、リース代金より、削減できた電気代の方が多くて得をしたという例も出ているようです。検討の価値があるのではないでしょうか。

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