環境ビジネス情報発信 コラム

環境ビジネス情報発信 コラム Vol.1

さかいIPC環境ビジネス研究会
環境ジャーナリスト 富永 秀一
富永 秀一氏

Vol.1「環境保護は流行なのか」

環境対策、エコ製品開発の動機は

この度、環境ビジネス研究会のアドバイザーに就任させて頂くにあたり、環境問題や環境ビジネスに関するコラムも書かせて頂くことになりました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
まずは、皆さんが環境対策を行ったり、環境対応製品を開発する動機に大きく関わってくると思われる、環境問題、特に地球温暖化の深刻さについて取り上げて見ます。

本当に温暖化してる?

今年の冬は、近年では寒い方でしたし、春になっても、時折冷える日があったりして、「本当に地球温暖化は起きているの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、世界的には、この3月、4月と連続して、平均気温は観測史上最高を記録したのです。ちなみに、1月~4月の平均でも史上最高記録です。
図1を見ると、平均より低い地域は、中国や日本など、ごく一部で、多くの地域では高くなっている事が分かります。やはり、地球の温暖化傾向は変わっていないのです。
太陽光発電装置
図1 出典:NOAA
温暖化の影響はいつまで続くか
さて、私たちが出しているCO2は、どのくらいの期間影響を及ぼすのでしょうか。
実は、図2で分かるように、2000年の時点で、人為的なCO2の排出をゼロにしても、大気中のCO2の濃度は、200年後に1割程度減るだけと予想されています。
50%削減しても、まだ濃度は上がり続けるのです。
現実には、2000年以降も排出量は増え続けているわけですから、影響は、数百年、数千年にわたって続くのです。
二酸化炭素排出量削減後の濃度の相対変化
図2 出典:IPCC第4次評価報告書2007第一作業部会報告書
容易ではないCO2濃度安定化

それでは、CO2の濃度を抑えるためには、どうすれば良いのでしょうか。
図3の左の図は、CO2濃度を一定範囲内に安定化させる為には、今後の排出量をどの範囲に抑える必要があるかを示しています。

安定化レベルの範囲におけるCO2排出量と平衡気温の上昇量

図3 出典:IPCC第4次評価報告書政策決定者向け要約

上の点線は、何の対策をしなかった場合、下の点線は様々なシミュレーションの内、最も排出量を抑えられた場合です。
これを見ると、下の点線の場合でも、せいぜいIIIの、536~590ppmでの安定化ができるかどうかであることがわかります。
右の図は、それぞれの濃度範囲に安定化できた場合の気温上昇の予測です。
IIIの場合、2~5度です。つまり、国際的な目標としてよく言われる、産業革命以降の気温上昇を2~3度に抑えるというのは、相当厳しい目標である事がわかります。

海面はどこまで上がるのか
図4で分かるとおり、今より、平均気温が2~3度高かった300万年前の海面は、20~30m高く、4度高かった4000万年前は70m以上高かったのです。
これは、グリーンランド、南極などの氷河、氷床がすべて溶けた状態を意味します。
図4
図4 出典: WBGU 「The Future Oceans Warming Up, Rising High, Turning Sour」
写真1 は堺市周辺の衛星写真です。
濃い青の部分は、海面が12m上昇した場合に沈む地域、薄い青は、同じく72m上昇した場合に海面下となる地域です。
このままでは、数百年、数千年後の人達に、こんな地球を残すことになりかねません。
Google Earth
写真1 出典: Google Earth
環境への取り組みは永遠の課題

こうして見ると、環境問題への取り組みは、一時の流行などではなく、企業の単位で見れば永遠の課題であることがおわかり頂けると思います。
是非、企業活動の柱の一つに据えて、本気で、息長く取り組んでいただきたいと思います。

コラムは随時更新致します。次回もご期待ください。