企業・特許情報がほしい堺IPC PRESS

「堺IPC PRESS」は堺市内企業の取組や支援情報を紹介しています。
地域産業の振興と企業情報の発信を目的に、セミナー情報や堺市の施策などを掲載しています。

堺IPC PRESS 2026.1 Vol.78

最新号 PICKUP!

テーマ:人材確保

中小企業における人材確保や育成は大きな課題です。
今号は独自の方法で新卒採用に成果をあげたり定着率を高めたりしている企業を紹介します。

北野緑生園株式会社

Main img title 78

堺産オリーブで地域を繋ぎ街の活性化にも貢献

代表取締役北野 裕之

ゼネコンやハウスメーカーなどを得意先として、造園工事や植木の卸を行っている北野緑生園株式会社。10年前からはオリーブオイルの製造・販売を手掛けており、そのオリーブを活用した教育プログラムで、地域の高校や小学校ともつながっています。

創業80年の造園会社がオリーブオイルの製造・販売へ

1945年創業の北野緑生園株式会社。ハウスメーカー各社や建築家を通して、個人宅の庭づくりを手掛けることも多く、北野裕之社長は「わが家が一番癒やされる空間であることを体感いただけるような庭づくり、演出を行うのが我々の仕事です」と語っています。
樹木を植えっぱなしではなく、剪定など、その後の管理にも責任を持てる庭づくりをめざし、社員には樹木医の資格を取得させており、造園設計者や建築家からも高い評価を得ています。
一方、10年前にスタートさせたのは、堺産オリーブオイルの製造・販売です。
「もともとオリーブは、庭木として和風の庭にも洋風の庭にも合うということで、スペインからオリーブの古木を仕入れていました。その買い付けに訪れたスペインで、オリーブオイルと塩とビネガーだけの素朴な味付けの食事があまりにおいしくて感動したんです。20~30年前から間引きされるオリーブを引き取っていた小豆島で、オリーブオイルを絞ったり塩漬けしたりするのを見る機会があり、当社でもできないかと思っていましたが、スペインでの体験をきっかけに、オリーブの木だけでなくオリーブオイルの製造・販売までを行う『YURINA OLIVE(ユリナオリーブ)』を立ち上げたんです」。
そのオリーブオイルは「堺産プレミアム100%エキストラオリーブオイル」として、昨年には「OSAKAPRIDEPRODUCTS2025」にて、大阪府の「大阪代表商品」の50品に選ばれています。

同社では、外構の植栽に使用する樹木や苗の栽培・育成も行っている。
小学校、高校、地元自治会が連携した教育プログラムに参画

さらに昨年から、同社の堺産オリーブをSDGsの教育プログラムに活用しようという取り組みが、堺市立新檜尾台小学校で、北野緑生園や地元自治会、大阪府立農芸高校と連携して行われました。
「農芸高校で飼育している豚の飼料に、うちのオリーブの搾りかすが活用されており、地域で循環するその取り組みに関心を持った新檜尾台小学校からの依頼で始まったものです。子どもたちにオリーブの挿し木から育成、実の収穫、そして加工、販売と一次産業から六次産業までの過程を学んでもらいました。農芸高校の生徒たちも自分たちの取り組みを小学校で出前授業したり、地元自治会の皆さんが日々の管理をサポートしたりと、地域が一体となっての活動はすばらしいものでした」。
こうした地域とつながるプロジェクトに企業として関わることの意義を北野社長は「今の子どもたちはすぐにネットで楽に情報や知識を得ようとしますが、オリーブは毎年同じ世話をしていても、たくさん実をつけた翌年は少なくなりますし、その年の気象によっても異なります。それを自分で体験して考えて、学ぶことが非常に大切なんですね。私たち地域に根ざした企業は、そういうリアルな学びの場や経験を提供できるのではないかと考えています。実際、今回のプロジェクトでも、私たちがいつまでも世話をしなくても、自ら肥料のことを調べるなどして、どんどん前へ進んでいく姿に驚きました」と語っています。

今年度、「2026 Los Angeles International Extra Virgin Olive Oil Competition」※に堺産オリーブオイルで初挑戦の予定。 ※世界中のエキストラバージンオリーブオイルを対象とした国際品評会の一つ。
オリーブをトータルに活用できるブランドの確立を

「小豆島の小豆オリーブ研究所の方が当社の取り組みを視察された時に『羨ましい』と言われたのは、小豆島ではオリーブが観光資源となっても、島内の人口は減る一方だから地域振興につながらないが、堺産オリーブオイルには可能性があるということでした。当社は周囲の100坪、150坪という小規模の耕作放棄地を引き受けてオリーブの栽培量を増やしており、堺産オリーブが地域の活性化に貢献できればと願っています。
また当社では、堺酪農団地で生産される牛ふん堆肥をオリーブ畑で使用し、オリーブオイルの搾りかすは農芸高校で養豚に活用してもらっています。まさに堺市内で資源が循環できていることも優れた取り組みだと思っています」と北野社長。
大阪・関西万博では、同社が製作した直径180㎝の巨大リースが、オリーブ起源の地・ヨルダンのパビリオンに飾られ、関連イベントも開催されました。今後は「YURINA OLIVE」を、オリーブを活用した庭のデザインや教育、イベントまでも総合的にプロデュースできるブランドに育てていきたいと考えています。

大阪府立農芸高校で飼育している豚の飼料用にオリーブの搾りかすを使用。
同社は堺市立新檜尾台小学校と連携し、校内にある「オリーブの森」で出前授業を開催。

経営のキモ

耕作放棄地を使ってオリーブの栽培量を増やすだけでなく、堺市内にある高校や小学校と連携して地域の子どもたちの教育にも携わり、将来にわたる地域貢献に繋がる事業展開と自社のブランディングを実現しています。

北野緑生園株式会社

代表者名 代表取締役 北野 裕之
本社 堺市美原区菅生1328
TEL 072-361-0278
設立 1945年
資本金 1,000万円
従業員数 13名
事業内容

卸売造園工事業、オリーブ製品の製造・販売

ホームページ https://kitano-ryokuseien.jp/
さかしる掲載ページ https://sakacil.com/detail/?id=8833

株式会社サンエイプラテック

Main img title 78

子どもたちの未来を考えた3事業で地域と人をつなぐ

代表取締役岡田 全也

多種多様なプラスチック部品の製造などを手掛ける株式会社サンエイプラテック。2019年に、保育士だった岡田全也社長の経験から地域に密着した保育園事業も立ち上げ、さらに最近では地元企業や大学をつないだ新たな事業も動き始めています。

新会社で家業を承継 保育士の経験から保育園も開園

「もともと家業を継ぐ気はなく、0歳児が初めて出会う先生という仕事がとても魅力的で、保育士という職業を選んだんです」と語る岡田全也社長。8年間、保育園や障がい者施設に勤務していましたが、家業を新しい形で引き継ごうと、2013年に株式会社サンエイプラテックを創業しました。
「昔からのお得意先の信頼も厚く、そのまま取引も受け継ぎました。驚いたのは、それまでの仕事の進め方が属人的で、例えば1年に1回しか注文のない仕事も従業員の記憶だけが頼りでした。そこで1製品ごとのマニュアルを整備したほか、何かあった時にどう対処したかのノウハウも一元化するなど品質管理の仕組みづくりを行いました。今ではほぼ残業はありませんし、私が常時いなくても現場が回るようになりました」と岡田社長は語っています。経営も安定し、時間と資金に余裕のできたところで、岡田社長がスタートさせたのが保育園事業です。
「資金の投資先を考えた時に、私が最もよく知る世界はやはり保育だろうと思ったのと、ちょうどその頃に市の認可事業として小規模保育事業が始まったことがきっかけでした」。

トウモロコシのデンプンや乳酸菌などから作られる生分解性バイオマスプラスチック(ポリ乳酸)製品。
生分解性バイオマスプラスチック(ポリ乳酸)製品製造現場。
子どもたちに託せる未来に向け環境問題を考える絵本を出版

2019年に開設された小規模保育施設「なるなる保育園・幼保園」で大切にしていることは、運動遊びと食育、そして自然に触れることだと岡田社長は言います。
「生きる基礎を教えたいと思っています。体を動かすのは指先まで感覚が通うことで、これから何らかの技術を身に付ける上でも役立つと思いますし、食べることはまさに命を学ぶことにつながります。食でいただく命は動物だけではないですから、子どもたちには大根やプチトマトの栽培を体験してもらっています。また、園内の給食で使用するパンや米は、地元とのつながりを大切に感じ、個人商店から購入しています。イモ掘り体験に協力いただいているのも堺市内の農家さんで、このたび園バスを購入したので、これからは植えるところから収穫までの全てを体験してもらう予定です。さらに、奈良の古民家を取得したので、蛍を見たり川遊びしたりするなど自然に触れる宿泊保育も考えています」。
こうして子どもたちと関わるなかで、岡田社長が自ずと考えるのは「子どもに託せる未来」のことです。有害物質を吸着したマイクロプラスチックが魚介類などを通じて人体に取り込まれる可能性が懸念されるなど、海洋プラスチックゴミが社会問題になっている一方、安価で使いやすいプラスチックによって、この何十年の文明が大きく発展してきたことも事実と岡田社長。次代を担う子どもたちにも、人がプラスチックとどう関わっていくべきかをわかりやすく伝えたいと、自ら文章と絵を手掛けた絵本『くるくる なるなる』を出版しました。

なるなる保育園・幼保園では、0歳児から5歳児までの子どもを受け入れている。
プラスチック製造や保育園のほか地元企業をつないだ新事業も

一方、サンエイプラテックとしても環境問題は無視できない課題であり、大阪府のバイオプラスチック推進事業の支援を受けて、使用後は自然に還る生分解性材料・ポリ乳酸を使用したバイオプラスチック製品の開発を進めています。
さらに、岡田社長の思いは広がり、「子どもに託せる未来」を中心に、プラスチック製造業と保育園事業、そして新たに立ち上げたNPO法人による3つ目の事業を連携させる構想を持っています。3つ目の事業とは具体的に、地元企業から出る廃棄物を活用した堆肥づくりや奈良の古民家の活用などです。
「地元でチェーン展開されているコーヒー店で毎日大量に廃棄されるコーヒーかすと、堺の豆腐メーカーから出るおからを活用した堆肥づくりを大阪公立大学の先生たちと研究開発中です。この堆肥で小松菜などを生産すれば、それがまた堺産としてのブランディングにつながるのではないかと考えています」と語る岡田社長。丁寧なコミュニケーションで信頼関係を構築しながら、さまざまな企業や人をつないだ事業を展開していきたいと考えています。

食育も大切にしている同園では、子どもたちの給食も園内で調理をしている。

経営のキモ

一見ばらばらに見える3つの事業を「子どもたちに託せる未来」のキーワードのもと、工業・農業・教育と分野横断的に取り組むことで、連携先を紹介されるなどネットワークを広げ、新たな価値を生み出しています。

株式会社サンエイプラテック

代表者名 代表取締役 岡田 全也
本社 堺市北区北花田町3-37-9
TEL 072-230-4187
設立 2013年
資本金 500万円
従業員数 20名
事業内容

プラスチック射出成形、プラスチック成形品の2次加工、電線加工

ホームページ http://www.saneipla.jp/
さかしる掲載ページ https://sakacil.com/detail/?id=1289

株式会社古賀機械製作所

Main img title 78

育児や介護が両立できる環境を整備
女性の力を活かすものづくり企業へ

代表取締役古賀 弘司

万博の出展で医療・福祉業界から注目される「HAKO BED」

プレス加工機やタップ加工機をはじめ、ロボットシステムを活用した自動化装置の開発・製造を得意とする株式会社古賀機械製作所。構想から設計、加工、組立、制御、据付、メンテナンスまでの全工程を一貫体制で担っており、多種多様な産業分野のものづくりに貢献しています。
そうしたなか、同社が医療・福祉関連で初めて手掛けた「HAKO BED(はこベッド)」が、大阪・関西万博で多くの人に注目されました。リモコン操作一つで、被介護者や患者さんが寝ているベッドから移し替えることができる装置で、介護者の身体的負担を軽減できることから、人手不足に悩む福祉業界などでの活用が期待されています。
「万博では、1週間の出展期間中に約1500人の方に試乗いただきました。なかには体重が100kg近い方もいましたが全く問題なく、思いがけず耐久テストもできたようなものでした(笑)」と古賀弘司社長。今後は、自社ブランド製品としての発売を目指し、機能の向上とともに、軽量化やコンパクト化、さらには導入しやすい価格設定に向けて、製造コストの削減を図っていきます。

株式会社古賀機械製作所 常務 藤井 智恵美
"作る"だけでなく、"売る"ことにも注力 販促や営業面で推進役を担って

大阪・関西万博への「HAKO BED」の出展に際し、PRや展示方法を考えるなど中心的な役割を担ったのは、藤井智恵美常務です。
古賀社長は「ものづくり企業として、これまで”作る”ことばかりに目を向け、”売る”ことを二の次にしていましたが、これからは自分たちで新しいお客様との出会いを広げていくことが重要」と語られています。その販促や営業面でのリーダー的な存在として期待されています。
以前は舞台音響の仕事に就いていたそうですが、2008年に入社してからコンピュータを使っての設計や製図に携わる一方、最近では自社ホームページや展示会での表現方法を考えるなど、”売る”ための業務に関わることが増えました。なかでも、大阪・関西万博の出展は大きな経験だったと話しています。
「業界向けの展示会と異なり、製造業のことをよく知らない来場者が多い中で、ものづくりや当社のことを広く紹介することができました。女性にも身近なHAKO BEDは、今後、ものづくり企業においても女性が活躍できる場があることを伝える入口になるように思えて人材採用面でも期待しています。また、会場で多くの介護業界の関係者から、さまざまなご意見や期待の声を聞けたことも良かったです」。

大阪・関西万博に、介助する側にもされる側にも負担の少ない自動移乗装置「HAKO BED」を出展。
各種自動化装置、ロボットを活用したシステムまで高品質な機械を製作し、現場の「困った」を解決。
次代の経営を担う一員として女性の視点から働きやすさを追求

以前から女性の活用に注力してきた同社では、4人の子どもの育児経験を持つ藤井常務が中心となり、女性がさらに活躍しやすい環境づくりを進めています。
「男女を問わず、また育児だけでなく介護も対象に、家庭と仕事が両立できるよう時短勤務や在宅勤務などの制度を整備しました」。
古賀社長が立ち上げた同社の次代を担うのは、藤井常務ら3兄弟です。「2012年に現在地へ本社工場を移転した時には、あまりにも工場が大きくなったことに少し不安を抱きましたが、器に合わせるように受注量も増え、会社も成長したことに感銘を受けました」と語る藤井常務。女性ならではの視点が、同社のめざす新たなものづくりや経営に活かされることでしょう。

同社では、自動タップ加工装置「カンタップ」などのオリジナル製品も販売。
作業効率や使い勝手を踏まえた製作により、既製品にはない使い心地と品質を実現。

株式会社古賀機械製作所

代表者名 代表取締役 古賀 弘司
本社 堺市美原区今井88-1
TEL 072-289-7207
設立 1985年創業 2000年設立
資本金 1000万円
従業員数 17名
事業内容

自動化装置、専用機、加工機の開発・製造

ホームページ https://kogakikai.co.jp/
さかしる掲載ページ https://sakacil.com/detail/?id=15679

SAKAIもの新発見

ビジュアル

ビューティードア株式会社

独自の発想力と開発力で生み出すパーソナルケア用品

世界で初めて光触媒(酸化タングステン)を配合した歯磨き粉「ホワイトフラッシュ」や、炭酸泡による血流促進作用を
利用した医薬部外品の美容液「美白WF美容液」ほか、アーモンドに含まれるA H A である角質ケア成分のマンデル酸を
国内で唯一、18%も高配合した導入美容液「ホワイトフラッシュクリアセラム」など、ビューティードア株式会社が企画
開発した製品は、どれも機能性の高いものばかりです。
特に「ホワイトフラッシュ」は、昨今の歯のセルフホワイトニングの流行から人気です。
堺市産業振興センターのコーディネーターを務めていた光触媒の専門家のアドバイスで、人体に無害な光触媒、「酸化タングステン」と出会ったことが同製品の実現につながりました。
「創業の地である堺の人にも応援していただきたい」と堺の地名も製品のパッケージやラベルにデザインしています。
アルカリイオン水を弱酸性に変える肌本来の力を呼び戻す “スパルタ保湿”の美容液も、新発売される予定です。
全従業員の物心両面の幸せの追求とサイエンスで美と健康に貢献し、創造する製品で世界を笑顔に。と楽しみな企業です。

画像
画像
代表者名 代表取締役社長 藤田 百合子
本社 堺市堺区北庄町2-2-22
TEL 072-256-4596
設立 2006年
資本金 1,000万円
従業員数 10名
事業内容 化粧品・医薬部外品、健康食品の開発・製造・販売
代表者写真
さかいモノてらす

お問合せ先

公益財団法人 堺市産業振興センター 
経営支援課

TEL:072-255-6700
FAX:072-255-6700
E-mail:keiei_shien@sakai-ipc.jp
受付時間:9:00~17:30(土日祝を除く)