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最新号 PICKUP!
テーマ:人材確保
中小企業における人材確保や育成は大きな課題です。
今号は独自の方法で新卒採用に成果をあげたり定着率を高めたりしている企業を紹介します。
Classmate株式会社
オンライン留学ですべての子どもたちに世界とつながる学びを
代表取締役社長/CEO井坂 浩章
コロナ禍の2021年に創業したClassmate株式会社。厳しい経済環境下でのスタートにもかかわらず、強い使命感と、メタバースを活用したオンライン留学など独自のプログラムにより、すでに累計で1万人以上の子どもたちに国際教育を提供しています。
- メタバースを活用した教室でネイティブと話せる英語教育を
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オンラインの英会話教室自体は珍しくない中、Classmate株式会社が展開するメタバースを活用したオンライン留学が大変画期的だと、教育関係者から注目を集めています。
日本にいながらにして、2Dのメタバース教室で海外の講師の授業を受けられるほか、現地の学生たちと雑談を交わすなどして交流を深めることのできるプログラムです。町の人たちともライブカメラで会話できる「オンラインライブ・スタディーツアー」もあり、実践的な異文化コミュニケーションが体験できます。
さらに、リアルな語学留学や教育旅行といったオフラインのサービスも手掛ける同社では、留学・教育旅行の事前と事後にメタバースを活用したオンライン研修をシームレスに行うことで、現地を訪れただけで終わらない継続的な学びと国際交流を実現しており、それが他社にない大きな強みとなっています。
現在の利用客の約91%が学校法人。円安で留学費用も高額になり、関東と関西圏の学生たちだけで留学率の6割を占めるという地域格差があるなかで、「コストを抑えられるオンライン留学で、住む地域や家庭環境に関係なく、全ての子どもたちが英語を学び、国際交流できれば」と語る井坂浩章社長。実際に青森県中泊町や東京都利島村など、自治体の支援のもと全ての小中学生が無料でオンライン留学に参加している事例も増えつつあります
同社の事業の独自性や将来性が高く評価され、審査の厳しい日本政策金融公庫の資本制劣後ローンや、だいしん創業支援2号ファンドなどの投資を相次いで受けている。(写真は2Dメタバース教室の画面) - 日本での創業のきっかけは、世界的なパンデミックの発生
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同社がオンライン、リアルともに低コストでの留学が実現できている理由は、留学先を日本から約4時間で行くことができ、時差も1時間のフィリピンに特化していることにあります。
学生時代から7カ国に留学し、16年間の海外生活と25カ国以上の旅を体験している井坂社長は、アメリカでホームステイしたフィリピン人の家庭で、彼らの英語力や人懐っこさを知ったと話します。
「かつて、スペイン語を安く習得しようとした時にグアテマラでマンツーマンのレッスンを受けたことがあり、同じように英語をマンツーマンで学ぶ学校をフィリピンで作れないかと考えました。何のアテもないフィリピンに一人で行き、現地でビジネスパートナーを得て学校を設立。11年間運営していたのですが、世界的なパンデミックが発生し、フィリピン政府から全てのサービス運営を禁止されました。当時働いてくれていた講師やスタッフが100人以上おり、彼らの生活も守りたく、バーチャルでの留学というアイデアが生まれました。
帰国し日本で創業しましたが、当初はコロナ禍で思うように営業ができず、まだ売上が立っていない中でフィリピンのスタッフたちに給料を支払い続けなければならないことも大変でしたが、やがて以前にフィリピンで関わりのあった学校などを足がかりに、先生たちにオンラインで無料体験していただくなどして、徐々に顧客を広げてきました」。
フィリピン・パラワン島の豊かな自然環境の中で楽しみながら英会話力を養い、異文化理解を深める「アドチャレ!」。
学習成果の見える化を図って、今年4月に導入された「AIスピーキングテスト」。AIの活用で低コストを実現。 - 強いミッションがあれば環境の変化にも折れない
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井坂社長が海外での起業を志すきっかけになったのは、高校時代に出会ったある一人の人物だといいます。
「衛星予備校のスタートに向けた実験校でたった一人の生徒だった私は、メキシコでプロのサッカー選手だったという当時の校長から世界のいろいろな話を聞き刺激を受けて、いつか海外で起業したいと思ったんです。大学時代から海外に出て、卒業論文もニュージーランドから郵送しました(笑)。
私は最初から教育事業での起業を目指していたので 20 代では経験値が低いし、40代では遅い。 20 歳から15年間かけて自分自身を育て、それから30代半ばで起業しようと計画しました。そして36歳でフィリピンの学校を設立したわけです。
『今、これが流行っているから』『お金が儲かるから』という理由で起業すると、環境が変化した時に折れやすい。『これをやりたいんだ』というミッションを持つことが大切だと思います」。
今後は、フィリピンからマレーシアやインドネシアなどアセアン各国に留学先を拡大させ、ライブツアーや教育旅行など、AIではできないサービスを強みにしていきたいと抱負を語っています。
経営のキモ

オンライン留学により、地域や家庭環境を問わず国際教育へアクセスできる仕組みを整え、メタバース活用を通じて渡航前後の継続的な学びと交流を実現し、誰もが平等に学ぶ機会を提供できる点が同社の強みです。
Classmate株式会社
| 代表者名 | 代表取締役/CEO 井坂 浩章 |
|---|---|
| 本社 | 堺市堺区中瓦町1-4-22 大阪信用金庫堺東ビル2F |
| TEL | 090-6919-3477 |
| 設立 | 2021年 |
| 資本金 | 1,900万円(資本準備金を含む) |
| 従業員数 | 77名(海外スタッフ・業務委託含む) |
| 事業内容 | オンライン英会話・異文化体験・国際交流、海外体験型教育ツアー・フィリピン語学留学サポート事業およびA Iを活用した英語学習支援の企画・販売 |
| ホームページ | https://classmatejp.com/ |
| さかしる掲載ページ | https://sakacil.com/detail/?id=4373 |
株式会社ADAPT
義肢装具業界の価値をより高めるロールモデルに
代表取締役須藤 佑介
義肢装具士の専門知識や技術とテクノロジーを融合させた先進的な手法で、主に治療用インソールを企画・製造・販売している株式会社ADAPT。最近では、スポーツ障害などの予防のために、啓発活動にも取り組み始めています。
- 予防やパフォーマンスの向上につながるインソール事業に注力
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病気や事故などで身体の一部や機能を失った人が使用する義手や義足、また麻痺や変形などで失われた機能を補うコルセットやインソールなどの医療具を製作するのが、国家資格である義肢装具士の役割です。
そもそも須藤佑介社長が義肢装具士の道へ進んだのは、義足ユーザーの父親と右足に麻痺のある母親が、ハンディキャップを持ちながらもたくましく生活している姿を身近に見てきたことがきっかけだったといいます。その経験から、「人の身体を支える仕事をしたい」と強く思うようになり、養成学校を卒業後、義肢装具業界最大手の企業へ入社しました。
「そこでは義肢の製作が主な業務でしたが、最近は切断に至る労災事故や病気が減ってきたことや、何よりも切断してからの治療だけでなく、悪化の予防やパフォーマンスの向上といったところで義肢装具士の専門知識を活かせないかと考え、個人で創業するにあたっては治療用インソールに注力することにしました」。
創業当時は27歳という若さもあって、医療関係者や患者との信頼関係を築くのに苦労したということですが、一番の試練は新型コロナウイルスの蔓延だったといいます。それでも目の前の仕事一つひとつに誠実かつ丁寧に向き合った結果、創業から1年で契約した医療機関が約20カ所まで拡がり、2021年に法人化しています。
足底圧計測システムで計測したデータをもとに、CAD/CAMを用いてインソールを製作する切削機「ミーリン グマシン」。 - 足底圧計測システムによる歩行データをサービスに活用
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現在は関西で50カ所、関東の東京都内やさいたま市内で20カ所まで提携先病院を拡大させており、その背景には同社の大きな強みとして、義肢装具士の専門的な知識や技術と、高速サンプリング、高密度センサーを備えた足底圧計測システムという最新テクノロジーを融合させたサービスが挙げられます。
採型・採寸に使用する足底圧計測システム「Fo Footscan」から得られたデータを、CAD/CAMシステムと連携させてインソールを製作しているほか、可視化されたデータを分析。顧客と共有することで改善効果を高め、ひいては顧客の満足度の向上につながっています。
主だった顧客は、変形性膝関節症や外反母趾といった足のトラブルを抱えた患者で、整形外科医の処方に基づき、医療チームの一員として装具を製作しています。最近はJ FAアカデミーの選手のデータ計測を担当しているほか、Jリーガーや高校サッカー強豪校の選手が訪ねてくることがあり、アスリートのパフォーマンスの向上やケガの予防をサポートすることも増えています。
「病気やケガで装具が必要になる前の予防の段階から関われないかと考え、現在は講演などの啓発活動にも取り組んでいます。そのための一般社団法人も2023年3月に立ち上げました」。
立っている時や歩いている時の足底圧や重心位置の推移を計測する足底圧計測システム「Footscan」。 写真は、足底圧計測中の画像(上)と計測後のカウンセリング場面(下)。
- どう社会に貢献できているか その意義に誇りが持てる企業へ
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「事業を行ううえで最も大切にしているのは、人と人のつながりです。ビジネスにおいて、『何を行うのか、何を売るのか』も重要ですが、それ以上に『誰がやるのか』が本質だと考えています。だからこそ、常に『なぜ、それを我々がやらなければならないのか』を問い続けており、結果として会社がどう社会に貢献できているか、その意義を一人ひとりが理解し、誇りを持って取り組むことを大切にしています」と須藤社長。「適合させる」という意味の社名「ADAPT」にも、「人とモノ」だけでなく、「人と人」「医療と社会」などを最も良い形でつなぐ結節点となり、人々の生活を足元から支えたいという思いが込められています。
そして須藤社長が最後に語ったのは、義肢装具士の未来のこと。高齢社会の進展で、義肢装具の需要が高まる一方で、義肢装具士のなり手は減少しており、技術の継承が危ぶまれているのだとか。そこで同社では、コアタイムのないスーパーフレックス制度を導入したり、休みを取りやすくしたりして、業界の働き方を変えるロールモデルを作れればと考えています。「当社の活動を通じて、義肢装具士という存在をもっと知らしめたいですし、業界全体の価値向上にも貢献していきたいと願っています」。
経営のキモ

義肢装具士の専門知識と足底圧計測などの先端技術を融合し、治療から予防、パフォーマンス向上まで一貫して支援できる体制を構築。また、地域医療と連携して顧客満足度向上に寄与している点が同社の強みです。
株式会社ADAPT
| 代表者名 | 代表取締役 須藤 佑介 |
|---|---|
| 本社 | 堺市北区長曽根町130-42 さかい新事業創造センター121号 |
| TEL | 072-269-4816 |
| 設立 | 2019年創業 2021年設立 |
| 資本金 | 100万円 |
| 従業員数 | 役員3名、社員9名 |
| 事業内容 | 義肢装具や靴・履き物、インソールなどの企画・デザイン・製造・販売および輸出入、コンサルティング業務 |
| ホームページ | https://adapt-insole.com/ |
| さかしる掲載ページ | https://sakacil.com/detail/?id=4403 |
株式会社ワイテック
形のないサービスを売るからこそ 人として信頼される提案型営業を
代表取締役社長前田 洋
- 清掃から設備メンテナンスまで一貫したサービスを全て自社対応
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さまざまな建築物の清掃や設備メンテナンス、美装工事などを総合的に一貫体制で担っている株式会社ワイテック。全ての業務を下請けに任せず、自社対応していることで高い評価を得ており、主な得意先は電鉄会社や大手の外食チェーン、大手スーパーマーケットグループです。
「もともと当社は清掃業からスタートしましたが、空調設備や厨房設備などのメンテナンスのご相談を受けて対応するようになった結果、ビルメンテナンス全般に事業が広がってきました。それによってお得意先に、コストの低減やメンテナンス時間の短縮といったメリットが提供できています」と前田洋社長は話しています。
そこで同社は得意先の課題解決型提案営業を行っていますが、その営業部のリーダーを務めるのが、前田洋社長からの信任厚い山本一誠部長です。
株式会社ワイテック 営業部部長 山本 一誠(写真左) - アルバイト時代の働きぶりから社長自らが社員にスカウト
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そもそも大学時代に同社でアルバイトをしていた山本部長を、卒業後に入社を誘ったのが前田社長だったとか。「いつも真面目な仕事ぶりで、作業中の事故やトラブルが全くなく、たまに会った時の挨拶もきちっとしていました。こういう人を仲間に入れたいと思ったんですね」と前田社長。
一方、山本部長は「社長から声を掛けてもらえるなんて、もちろんありがたいですし、嬉しかったです。私自身、飲食店などいろいろなアルバイト経験がありましたが、当社での仕事では多種多様な現場に行き、さまざまな方との出会いがありました。そこから知り得ることが多く、自分の成長にもつながって楽しいと思っていたので、入社を決めました」と語っています。
入社は2016年ですが、アルバイト時代を含めると13年のキャリアがあり、現場もよく知っていることから、得意先との話の中から先方の課題、ニーズをしっかり捉えてくるというのが、前田社長の山本部長への評価です。
人材育成を重視してきた同社では、入社1年目から各種資格の取得に向けた講習会を継続して行っている。 - 失敗してもいいから挑戦する そのDNAを若い社員たちに伝えたい
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山本部長が日頃の仕事の中で大切にしているのは、人とのつながりだと言います。
「私たちは、形ある製品ではなく、人の手によるサービスを売っていますので、重要なのは“人対人”だと思っています。私という人間を信頼して受け入れていただいた上で、次の仕事も頼みたいと思っていただかなければならない。そういう意味で、定期契約をいただけるような関係づくりを心がけています。
当社は、『迷うぐらいなら、自分が思うようにやってみたらいい』という企業風土があり、例えばお客さまの希望する予算やスケジュールに応えるために、自分の裁量で業務の進め方や人の手配などを決めさせてもらえます。もちろん、それを遂行するためには、日頃から他部署のメンバーとコミュニケーションを取り、信頼関係を築いて行くことが大切です。当社はそういう意味では風通しが良く、最適な方法は何かをお互いに考え進めていける点で、常にブラッシュアップしている企業だと思いますね」。
設備のメンテナンス需要が高まる中で、今後は設備の取り替え工事も手掛けていこうと電気工事業や内装工事業といった許認可も取得。建物の快適性を追求するサービスをワンストップで請け負うことを目指すなか、山本部長の活躍がますます期待されています。
空調設備の洗浄・点検・修理に携わる社員は、電気工事士や冷凍機械責任者などの資格を持ち、実務に当たる。
現場で質の高い成果を発揮するため、資機材の点検・整備や5S活動を日々行い、清潔な倉庫環境を維持している。
経営のキモ

個々の特性を活かした人材育成制度を整備
当社は創業時より人材育成を重視してきましたが、今年度から、社員一人ひとりの特性を活かした人材育成制度を整備することにしています。3年間は、全員が基本的な業務を習得しますが、4年目からは得意とする領域でプロフェッショナルを目指してもらおうという考えです。資格取得については、1年目から全面的に支援しています。
株式会社ワイテック
| 代表者名 | 代表取締役社長 前田 洋 |
|---|---|
| 本社 | 堺市北区長曽根町3043-5 |
| TEL | 072-250-7796 |
| 設立 | 1992年 |
| 資本金 | 2,600万円 |
| 従業員数 | 200名 |
| 事業内容 | 日常清掃、定期清掃・特別清掃、設備点検・保守メンテナンス、抗菌・消臭処理、美装工事、空調・石材コーティング、ビルメンテナンス |
| ホームページ | http://www.ytec-m.jp/ |
| さかしる掲載ページ | https://sakacil.com/detail/?id=11491 |
SAKAIもの新発見
株式会社4B(フォービー)
自宅のウイスキーを手軽に追加熟成できる「タルバー」
自宅で楽しんでいるいつものウイスキーの風味を変化させて、もっと美味しくならないか…。
株式会社4Bの山本崇一郎社長のそんな思いから誕生した「タルバー」は、熟成に使用されたシェリー樽やラム樽などをスティック状に加工したもので、市販のウイスキーに2週間以上漬け込むことで香りや風味の変化を楽しめます。
ウイスキーは、シェリー酒やバーボンなど他のお酒を熟成していた酒樽を使って熟成されることが多く、さらに熟成後にシェリーやラムなど別の樽に移して香りを加える「カスクフィニッシュ」という製法もあります。「タルバー」は、いわば自宅で手軽に楽しめる「 カスクフィニッシュのような体験」といったところ。
ユーザーから「いつものウイスキーがこんなに変わるものなのか」といった驚きの声が挙がっています。
最近ではタリスカー蒸留所など、ウイスキー愛好家の間で有名な蒸留所とも交渉して樽を入手した山本社長。「時間対効果ばかりを追い求めてギスギスしがちな今日に、人生の余白という、ゆったりウイスキーを楽しむ時間を大切にしてもらえれば」と語っています。
| 代表者名 | 代表取締役 山本 崇一郎 |
|---|---|
| 本社 | 堺市北区長曽根町130-42 さかい新事業創造センター |
| TEL | 090-3979-0708 |
| 設立 | 2025年 |
| 資本金 | 100万円 |
| 従業員数 | 1名 |
| 事業内容 | ウイスキー熟成スティックの開発・販売 |
お問合せ先
公益財団法人 堺市産業振興センター
経営支援課
TEL:072-255-6700
FAX:072-255-6700
E-mail:keiei_shien@sakai-ipc.jp
受付時間:9:00~17:30(土日祝を除く)