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堺IPC PRESS 2023.1 Vol.66

PICKUP!

ITを駆使したニッチトップ戦略で 大手に勝つ

株式会社ワールド

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整骨院向けレセコン市場を独自の戦術で攻略

会長織田 明

整骨院の特殊なレセプト作成にレセコンの潜在的需要を見出して

創業前は薬のプロパー会社の営業担当として、整骨院などに消炎鎮痛剤などを卸していたという株式会社ワールドの織田明会長が、初めて整骨院向けレセプトコンピュータシステム(以下、レセコン)と出会ったのは1984年のことでした。医療施設が健康保険組合などの支払い機関に診療報酬を請求するためのレセプト(診療報酬明細書)を作成するレセコンの普及率は今や100%近くですが、当時は病院や医院においてもまだまだ一般的ではありませんでした。
健康保険組合などに医療費を直接請求できる医師と異なり、療養費を患者の代理で受領するという形の柔道整復師は、事前に患者の自筆サインをレセプトにもらわなければなりません。紙のレセプトをデジタル化できれば、事務処理の簡素化のメリットは大きいだろうとレセコンに目をつけた織田会長は、さっそく業界の現況と大阪での普及率などを調べました。1985年当時、柔道整復師は全国で約3千人、大阪府下で約700人。その中でレセコンを導入しているのは30人だったといいます。
「なぜ普及が進まないのか調べると、当時あるレセコンメーカーが発売したばかりのオフィスコンピュータシステムが400万円、5年リース契約で月7万円半ばでした。1ヶ月100枚のレセプト作成で、1枚あたりのコストが700円強、手が出ないのが実情でした。そこで約半額まで価格を抑えることができたならビジネスチャンスがあるのではと考えたのです」。

情報システム部では、プログラムの開発や納品したレセコンの保守業務も手掛ける。
サポート部では、システムの納品および操作説明のほか、パソコンやプリンターの貸出も行う。
365日24時間のサポート体制で顧客の絶大な信頼を獲得

資金援助してくれるという整骨院経営者との共同経営で会社を設立。すぐにソフトウエア開発会社にシステム開発を依頼するとともに、織田会長自身も整骨院で実際のレセプト作成に携わり、保険請求の実務を一から学んだといいます。
1987年9月に、大阪府柔道整復師協同組合主催の展示会が開かれるというので、レセコンの開発をそれに間に合わせました。「ところが、展示会には当社以外に8社のレセコンメーカーが、同じように値ごろ感を訴求した製品を出展してきたのです。なかでも画期的だったのが、レセプトにバーコードを自動印刷する機能を備えたもので、多くの人の注目を集めていました」。
価格競争に陥ることだけは絶対に避けたい織田会長は、他社といかに差別化を図るかを模索し始めます。共同経営を解消した後に設立した(株)ワールド情報システム(現在のワールド)で、バーコードに対抗できるものとしてOCR(文字認識)自動印刷システムを開発。あわせて始めたのが365日24時間のサポート体制です。「レセプト作成は、月初の数日に作業が集中します。当時、システムがまだ安定していないこともありましたが、ユーザーもコンピュータに不慣れで、マシンにトラブルがあったりすると大変困られました。それを全面的にサポートすることにしたのです」。
業務終了後の電話は留守録で受付け、ポケベルで呼び出された社員が折り返すというアナログなものでしたが、他社はどこも真似ができず、ユーザーからは「価格は高くても、いつでも対応してくれる」という高評価を得て、信頼のワールドブランドを定着させることになりました。

※OCR(文字認識)…手書きや印刷された文字をカメラなどで読み取り、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術

左:織田 明 会長 右:西村 陽介 社長
脱レセコン屋を宣言 開業コンサルティング事業へ

営業エリアを大阪府外に拡大しながら、1992年には業界初となる個人契約者向けシステムを開発。それまでに得たさまざまな情報、ノウハウを活かして、開業を目指す個人向けサービスを強化しました。「”脱レセコン屋宣言”です。資金調達のための事業計画書の作成や各種行政への申請手続きなど、開業までの全行程をサポートするコンサルティング事業に注力することにしました。超高齢社会を迎えて医療費の高騰という社会情勢から専門学校の規制緩和があり、全国に養成機関が急増し、保険請求などの講義も行うようになりました」。
今日の柔道整復師の数は全国で5万人を超え、大阪府でも7千人近く。現在は、開業条件に実務経験が求められるようになったため、開業のペースは落ちているということですが、まだまだ市場に余地があると織田会長は語っています。「病院や医院向けのレセコン市場は大きいだけに大企業が参入していて太刀打ちできませんが、ニッチな整骨院向けレセコン市場だったからこそ戦えました。そして当社の場合、ニッチに関係なく、常に顧客のお困りごとに耳を傾け、その解決を図ることに注力してきました。それが現在の成功につながっていると思います」。
7年前に売り切りのリース契約から月額契約に変え、定期的に情報発信するなど、顧客との関係をより深めてきたワールド。原点とも言えるレセコンも進化を続け、「自主審査」機能を備えたレセプトシステム「れ・セボーン Neo」を販売しています。今後は、2026年以降の完全デジタル化にあわせたクラウドシステムの開発と、マイナンバーカードとの一体化が進められる保険証への対応が急務だと語っていました。

経営のキモ

【成功のポイント】
■医療機関のレセプトシステムを整骨院専用に特化して作り上げ、ニッチな業界で価格競争に巻き込まれることなく、顧客に寄り添うサポートとサービスで勝負してきたワールド。また、業界初となる柔道整復師養成学校への講師の派遣など、業界発展に貢献する理念が同社を支えています。

株式会社ワールド

代表者名 西村 陽介
本社 堺市北区北花田町3-27-26
TEL 072-255-4743
設立 1986年創業 1989年設立
資本金 1,000万円
従業員数 21名
事業内容

整骨院専用レセプトシステム「れ・セボーン Neo」の開発・販売、請求団体入金管理運用システム、保険請求講義(講師出向)、高度管理医療機器等販売・賃貸、整骨院への就職支援など

ホームページ https://www.world-sys.com/
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アイタート有限会社

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ポイントを活用したマーケティング力に強み 

代表取締役社長下岡 功

さまざまな業界のシステム開発や運用で豊富な実績

大手ソフトハウスで、流通・サービス業や金融業の業種・業務システムの開発などに携わってきたというアイタート有限会社の下岡功社長。
「その会社でシステムエンジニアを務めたのち、営業として顧客企業の課題解決に向けての提案や、システム化の目的の整理、ビジネス要件の整理、システム設計・システム開発、運用設計とITの上流から下流までを担当してきました」。
その経験が、今日のアイタートの強みにつながっているようです。例えば、2003年創業後の実績として、大手レンタカーのシステム構築のプロジェクトマネージメントに参画し、約300名のプロジェクトの進捗管理やテスト計画に携わったほか、大手アパレル企業の物流改革や、不良在庫を有効活用する3R(リユース・リデュース・リサイクル)事業の立ち上げを行っています。さらに、アミューズメントパークのチケット販売のシステム設計や、あるファストファッション企業では経営資源の有効活用を統合的に考えるERP(企業資源計画)システム※1のリニューアルのコンサルティング業務にも携わってきました。聞けば誰もが知っている有名大手企業で豊富な実績を積み上げてきたのは、きっかけとして下岡社長の個人的な人脈がありますが、ビジネス要件とIT要件の両方を理解し、そのバランスをとりながら企画、設計、コンサルティング、さらにはプロジェクトマネージメントまでをこなせる同社の強みが理由といえます。

同社の経費や売上など、家族の協力を得ながら管理・運営を行っている。
業界を超えた販促企画などで高い評価を獲得

さらに同社が優位性を発揮している”ニッチな領域”が、かつて大手共通ポイントシステムの立ち上げから携わった実績を背景に、ポイントシステムを活かした顧客管理や商品管理をベースとしたマーケティング力です。
ポイントを活用したマーケティングの特異性について下岡社長は「”誰が何を買っているのか”とともに、”この商品を誰が買っているのか”の両面から把握することで、顧客に響く販促、広告を打つことができる」と語っています。
なかでも、複数の業界や企業グループが加盟して活用する共通ポイントシステムは、互いの顧客情報を共有できるため、新規顧客の開拓に有効です。それまでに日本になかった同システムの立ち上げには、複数企業で共通して使えるデータベースの設計や、それぞれの企業の課題解決に向けた分析やアウトプットをデータベースから導き出すことが大変な苦労だったとか。
また、立ち上げ当初は「自社の顧客情報を取られるだけなんじゃないか」という懸念を持たれることもあり、共通ポイントに加盟するメリットを理解してもらうための努力が必要だったそうです。それが最近では、下岡社長が企画した販促の一例として、大手外食チェーンストアでの支払い時に、紳士服販売チェーンで使える割引クーポンを発券したところ、20〜30%の利用率があり、高い評価を得たそうです。こうした共通ポイントの有効性から、今では複数の共通ポイントが立ち上がり、競争を激化させており、そうしたなかで下岡社長率いるアイタートは、独自のポジショニングを確立しているようです。

プロジェクト全体のマネージメントを得意とする同社の「業務改善提案書」サンプル(抜粋)
自社の承継を含めて次代への貢献を模索中

「ポイントを活用したマーケティングには、アプリやサイトといったメディアのノウハウはもちろん、ビジネスニーズが理解できていないといけませんし、さらにはメディアを活用するためのデータベースのノウハウ、またデータベースを分析するノウハウも必要です。事業会社は、あくまでも売上を伸ばすことが目的なので、システムの作り方などについては全てITベンダーに任せたい部分ですが、ITベンダーはビジネスニーズを把握しきれていません。そうしたなかで当社は、ビジネス視点でシステムの開発に必要なRFP(提案依頼書)※2を作成することができ、いわば、システム開発者とコンサルタントの中間に位置する”ニッチな領域”で、他社と比較されることのない実績を重ねられているのが強みといえるでしょうか」。一方で、市場が特定少数ということで顧客の幅を広げるのに時間がかかる点をデメリットとして挙げています。
今後については、「ここまで共通ポイントが増え、さらに企業が独自に展開しているハウスポイントもあるので、ユーザーにとって煩雑になっていることから、この課題を解決できるシステムを提案できないかと考えています。また、高齢社会で人口の多くを占めている50代から70代の方にも公平に便益を享受できる仕組みを企画したいと思います」。
創業から20年。現在の下岡社長が思いを寄せるのは地場の振興や、自社の事業承継です。
「これまで東京を中心に仕事をしてきましたが、本社を置く堺にはまだまだデータを活用しきれていない企業も多く、ポイントシステムなどの仕組みを活用することで、堺の企業に貢献できたらと考えています。また、コンサルティング後の実装については、外部人材を活用できたらと思いますし、事業承継も踏まえて、当社のノウハウの活用や継承に興味のある企業とご縁があれば話をしてみたいと思います」。

※2 RFP(提案依頼書)…システム開発を依頼する企業が必要な条件をまとめ、発注先候補の事業者に具体的な提案を依頼する文書

経営のキモ

【成功のポイント】
現在ではコンビニや飲食店で当たり前のように使われているポイントサービスの仕組み作りに携わった下岡氏。IT業界でのシステム開発やコンサルティング経験だけでなく、アパレルメーカーの物流改革などのさまざまなキャリアがアイタートの成功の源泉になっています。

アイタート有限会社

代表者名 下岡 功
本社 堺市北区長曽根町545-13-307
TEL E-mail:shimooka@itart.jp
設立 2003年設立
資本金 300万円
従業員数 4名
事業内容

ITの企画・コンサルティングとマネージメント

ホームページ
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株式会社マツダスクリーン

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機能性と高付加価値を追求したスクリーン印刷に強み 

営業部部長中元 良

クリーンルームで大型サイズの印刷が大きな差別化に

1974年にラジオの銘板の印刷からスタートした株式会社マツダスクリーン。スクリーン印刷のあらゆる材質に印刷できることや機能性のあるインキがあること、曲面や立体にも対応できることといった特長を活かし、かつてはビデオカメラや液晶プラズマテレビなどの最先端の家電製品、さらにはプリクラ機の目隠しカーテンの印刷加工へと事業を拡大してきました。
そうしたなかで導入した1550mm×2750mmまで印刷できる大型スクリーン印刷機は業界最大級で全国にも数社しか所有していないとか。さらに同社では印刷工場をクリーンルームにしており、こうした清浄度の高い環境で大型サイズの印刷ができる会社は他にないといいます。現在は医療器具に使われる粘着印刷なども手がけています。

プラスチックをカットするランニングソー。幅2465mm、奥行2440mm、厚み100mmまで対応できる。
独自の発想と高い技術力でこれまでにない導光板を開発

このように同社は高い機能性と付加価値を追求したスクリーン印刷を強みとしており、最近では、アクリル板の面上が均一に光るように特殊加工された導光板の開発に成功しています。既存製品と異なって自由自在にカットして使用できるほか、どの角度からもきれいに見えるのが特長です。
「開発にあたってはインキを調合する専用機も自社内に装備し、原材料の配合比率や印刷技法の試行錯誤を繰り返しでしたが、この技術が高く評価されて、昨年には大阪府の『大阪ものづくり優良企業賞2022』の審査委員特別賞を受賞しています」と中元良営業部長は語っています。
同社の高い技術開発力がいかにして培われているのかという問いには「かつては不良品を出さないことが評価されてきましたが、今の時代に勝ち残るために当社では『どういうチャレンジができるか』『何か創意工夫できることはないか』を追求しており、例えば、さわってはいけない、汚してはいけないとされた導光板も、さわってもいいものを作れないかという発想から製品化を実現。特許も取得しており、施工時の作業性が向上したと喜ばれています」と話しています。

大型スクリーン印刷機で印刷されたアクリル板の使用例。得意とする木目調やステンレス調印刷は建材分野でも活かされる。
一般消費者に向けた自社ブランドの展開も視野に

今日、コインゲームの盤面などのアミューズメント設備をはじめ、建材や自動車、照明、雑貨など幅広い業界に貢献している同社ですが、今後の展望として、一般消費者を対象としたB to Cビジネスにも注力していきたい考えです。
「当社としてはすでに幼児向けの名前シールなどのグッズを『やくだち』ブランドで展開していますが、アクリル板の魅力が広く認知されるようになった今、アニメファンに向けたグッズなど、新たな需要を獲得できるのではと期待しています。一方で脱プラが叫ばれるなか、当社も再生アクリル板の活用に積極的に取り組んでいきたいと考えています」。
2025年に大阪で開催予定の日本国際博覧会の会場作りでも、同社の独自性の高い技術が貢献できる場がないかと期待が高まっています。

スクリーン印刷の魅力について「発色が美しく、液状であれば何でもインキに配合することができるので、ステンドグラス風の意匠を施したハガキなど、表現の可能性は無限です」と語る中元営業部部長。

経営のキモ

堺市産業振興センターで以下の事業を活用しました。
【活用した事業メニュー】
■申請手続きの支援
大阪府「大阪ものづくり優良企業賞2022」の応募に際し、申請手続きを支援していただきました。
■堺市先端設備等導入支援補助金
新型コロナウイルス感染症の影響下で、労働生産性を向上させる先端設備の導入に係る経費を補助していただきました。

株式会社マツダスクリーン

代表者名 松田 好隆
本社 堺市東区石原町1-123-2
TEL 072-258-0002
設立 1974年設立
資本金 1,000万円
従業員数 30名
事業内容

印刷事業(シルクスクリーン・精密微細スクリーン・パッド印刷)、印刷関連事業(印刷部材品の加工・組み立て・取付け)

ホームページ http://www.matsuda-screen.co.jp/
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株式会社シフト

社長写真

創業者の理念を継承しつつ積極的な事業拡大を目指す

代表取締役谷口 和也

同社が追求するのは、顧客や時代のニーズに応える高付加価値製品の開発。人体や環境への負荷を低減した製品やマスキング不要で作業性を高めた自動車の下回り防錆剤など独自性の高い製品で競争力を高めている。

学生時代にウインドウズ95が発売され、これからはITの時代なのでは」と、卒業後はシステムエンジニアの道へ進んだという谷口和也社長。それでも専攻は経営学で、もともと経営や営業に興味があったと言います。
「社会に出て5年ほど経った頃から、父が創業した当社へという話が出始め、2006年に入社しました。父から『まずは自分のお客様を作れ』と言われ、電話や飛び込みの営業などを数年経験しました」。
電気自動車へのシフトなどで潤滑油市場のこれからを不安に思ったこともあるそうですが、それに代わる新しい商材をいち早くキャッチすればいいのだということに気づかされたと谷口社長。実際に自ら事業の拡大に取り組みました。
「既存のチャネルで販売できる関連商材をもっと増やそうと、、仕入先の開拓を行ったり、顧客からのニーズに応える新製品をメーカーと共同開発したりしました。これが私どもの一番の強みで、当社が直接聞き取ったお客様の困りごとを解決する製品を、一緒に開発し製造できるメーカーとの広いネットワークを築いています」。現在は、価格競争に巻き込まれない高付加価値製品のラインナップを充実させ、取扱製品数は約10倍に増えています。
昨夏に社長に就任した後、創業者の「顧客第一」という理念はしっかりと継承しつつ、ITの積極的な活用で若い世代や子育て世代の従業員も働きやすい環境づくりを進めていきたいと谷口社長。今後は東南アジアへの進出も視野に、売上を現在の2倍、3倍と伸ばしていきたいと語っています。

株式会社シフト

代表者名 谷口 和也
本社 堺市中区深井北町770 -1
TEL 072-270-2001
設立 1994年設立
資本金 1,000万円
従業員数 17名
事業内容

工業用・自動車用ケミカル品の製造及び販売、工業用潤滑剤の開発・製造及び販売、SCRシステム専用尿素水の販売

ホームページ https://www.shift-kk.co.jp/
さかしる掲載ページ

SAKAIもの新発見

ビジュアル

Kala Craft(カーラークラフト)

さまざまな素材と加工法で 人生の記念日を彩る一点もの

サーフボードをかたどったウエルカムボードや漆加工された皿や表札のほか、刺繍を施した出産祝い用ネームプレートなど、素材も加工法も多彩な「Kala Craft」のオリジナルグッズ。こうした個人を対象としたセミオーダーのものづくりを始めたきっかけは、代表自身の結婚式での体験だったとか。「お金のかかる結婚式でウエルカムボードにまで多くの費用をかけられないなか、既製品に良いものがなく自分で製作しました。クオリティの高いものを手頃な価格で提供できないかと考えたんです」。
ウエルカムボードなら結婚式当日のドレスの雰囲気や二人の思い、好みなどをヒアリングし、いくつかのデザイン案を提示。要望を聞きながら最終案を決定しますが、一度決まった後でも変更の希望を聞くそうです。「お客様にとっては一点もの。本当に納得されたものをお届けしたいですから」。そうした丁寧なものづくりから、結婚式当日やその後に家で飾っている写真も送ってくれる人もいたといいます。
ガラスや樹脂にも漆を密着させる漆職人や、中国で紹介された超高透過ガラスなど、さまざまな出会いからさらに表現の幅を広げてきた筒井代表。
「結婚式だけでなく赤ちゃんの誕生、さらにはマイホームづくりと、お客様の人生の中で少しでも長く関わることができたら嬉しい」と語っています。

筒井達也代表が好きなハワイの言葉で「無限」を意味する「Kala」が社名の由来。ロゴカラーの水色と茶色もハワイの海と椰子の木を表現しているそうです。工業科出身で機械をさわったりデータを作ったりするのを得意としていた筒井代表は、会社勤めの傍ら本格的にレーザー加工機も入れてキーホルダーなどの製造を請け負っていましたが、やがて副業の方が忙しくなり独立開業したのが2015 年のことです。
量産品は何台も加工機を抱えている企業には勝てないからと、一般消費者を対象としたオリジナルグッズにも注力し、今では売上も半々に。今後は、最近導入したプリンターやコンピュータ制御の切断機を活用して、店舗や住宅の内装に使える立体的な壁紙を手がけていきたいと語っています。

画像
代表者名 筒井 達也
本社 堺市西区浜寺船尾町西5 -142
TEL 080 -5338 -5495
設立 2015年
従業員数 2名
事業内容 フォトスタン ドやウエルカムボード、 アパレル製品、ノベル ティなどの企画製造
代表者写真
さかいモノてらす