- TOP
- 堺IPC PRESS
- 堺IPC PRESS 2024.10 Vol.73
地元企業・支援情報堺IPC PRESS
バックナンバー
堺IPC PRESS 2024.10 Vol.73
PICKUP!
日本からヨーロッパ、アメリカへ、就労支援から児童発達支援へ。現状に甘んじず、次に向けて果敢に「攻める」企業等を紹介します。
株式会社ロッケン
医療系ソフトウエアの受託開発で高い独自性を発揮
代表取締役 坂本 泰一
人工知能と可視化技術を活かして高度な医療機器ソフトウエアの開発などを行っている株式会社ロッケン。今年度、国の「成長型中小企業等研究開発支援事業」に採択されたほか、フランスにも拠点を開設し、ますます「攻め」の姿勢を見せています。
- 医療機器メーカーの開発のため誕生した大学発ベンチャー企業
-
医療のDXが急速に進展し、内視鏡手術における内臓や血管の画像解析など、高度なデジタル技術が外科手術をサポートする時代となりました。
そうしたなかで、株式会社ロッケンは、CTやMRIの画像から細い血管を特定し3D化して可視化したり、医療画像からガンを特定したりするなど、AIや3D機能を備えた医療系ソフトウエアや医療機器の開発などを得意とするIT企業です。
同社設立の経緯について坂本泰一社長は「もともと私は、大阪府立大学(現在の大阪公立大学)の前学長だった辻洋先生の研究室で人工知能(以下、AI)を使ったビッグデータの解析などを学んでいました。ディープラーニングという言葉が出始めた頃で、今日ほどAIが注目されていなかった時代です。辻先生の研究室ではフランスの大学と協定を結んで、互いの学生の留学を積極的に行っており、私もフランスに留学しました。フランスからも非常に優秀な学生たちが来日し、なかには日本での就職を希望する学生もいましたが、言葉の壁もあり難しい状況でした。そうしたなか、私が卒業後に就職した大手医療機器メーカーで新規事業の開発プロジェクトに関わることになり、それを手伝ってくれるベンチャー企業が彼らと大学の方々の協力により設立されました。そのプロジェクトが無事に完了し発展的に解散する予定でしたが、メンバーの技術力が非常に高レベルで、もっといろんな製品を開発しようということになり、私はそのベンチャー企業を引き取るために退職したという経緯です。社名のロッケンは、辻先生が運営されていた『第六研究室』に由来しています」と語っています。
「外国人ばかりの社内を見て引かれることが多く、現在、日本人社員を大募集中です」と坂本社長。 - 医療系の国際規格にも精通 AIと3Dの両方で強みを発揮
-
同社の強みはまず、医療機器メーカーで開発に携わっていた坂本社長が、医療機器ソフトウエアの開発において必須の国際規格IEC62304に精通しており、開発から事業化までの基礎技術開発、ソフトウエア設計、ソフトウエア実装、規格試験向けのテスト、技術移管のノウハウを有していることにあります。さらに、同社にはAIのエンジニアと3Dのエンジニアが半々在籍し、AI開発と3D描画技術を同時に行うことができるのも大きな特徴です。
そして今年度、同社の研究テーマ「学習データの偏在を防ぎ、データ構築からモデル化までを一気通貫で構築できるAIシステムの研究開発」が、経済産業省の成長型中小企業等研究開発支援事業に採択されました。これは、同社がAIに不慣れな企業が独自のAIを開発する際に、AIの教師データとテストデータを適切に割り振ることができないというデータ偏在の問題について、自動で適切な教師データとテストデータを選び出す技術を開発したのを、さらにAI人材がいなくても学習データ構築からモデル化までをワンストップで提供できるAIシステムの研究開発を目指すものです。これにより、AI人材の不在という人材的課題と、高額なAI人材を雇用しなければならない資金的課題、さらには情報を外に出せないという環境的課題の解決に貢献できると考えています。
社員の90%が外国人の社内の様子
社員に看護師の資格取得者もおり、医療のバックグラウンドを持っていることも同社の強み。 - フランス支店を拠点にヨーロッパへ事業を拡大
-
設立当初、フランス人学生の受け皿の役割を担ったこともあり、大学から独立した今も社員の90%が外国人の同社ですが、母国に残してきた家族などのこともあり同社のプロジェクトに長く関わることを望みながらも帰国する社員もいました。そこで今年9月に、フランス支社を開設しています。
「まずは帰国する社員のための支店ですが、今年11月にドイツで開催される『MEDICA2024』という世界最大の国際医療機器見本市にも出展する予定で、フランス支店を足がかりにヨーロッパでも事業を展開したいと考えています。また、ソフトウエアやAIの本場であるアメリカにも挑戦したいですね」。
同社では高い独自性を活かし、今後も大手医療機器メーカーや有名大学などをクライアントに受託開発に徹する考えです。一方で、AIを使ったスポーツ解析などのシステムはAIの活用事例として広く訴求していきたいと考えており、その事業は子会社でと計画する坂本社長は、その志に共感してもらえる出資者を募っているところです。
経営のキモ

同社はAIと3Dソフトウエア開発を得意としており、これらの強みでAI人材不要で使えるシステムの研究開発が成長型中小企業等研究開発支援事業に採択されました。企業の人材や資金課題を解決できる最新技術です。
株式会社ロッケン
| 代表者名 | 坂本 泰一 |
|---|---|
| 本社 | 堺市北区長曽根町130-42 さかい新事業創造センター108 |
| TEL | 072-231-9815 |
| 設立 | 2016年 |
| 資本金 | 100万円 |
| 従業員数 | 10名 |
| 事業内容 | 国際規格対応の医療機器ソフトウエア開発、人工知能開発、コンピューターグラフィックス技術開発 |
| ホームページ | https://rokken.tech/ |
| さかしる掲載ページ | https://sakacil.com/detail/?id=14903 |
株式会社 A.C RISE
一人ひとりの幸せを大切に考えた支援事業を拡げて
代表取締役社長 島谷 竜一
高校生の時に病気が原因で片目の視力を失ったという島谷竜一社長。「自分だからこそできること」を考えて、昨年7月に就労継続支援B型事業所を運営する株式会社A.C RISEを設立。この秋からさらに「攻め」の新たな展開を計画しています。
- タイで恵まれた自分の環境に気付かされ福祉事業の道へ
-
株式会社A.C RISEの現在の事業内容は、障害や病気などで一般企業への就職が難しい人たちを対象に軽作業などの就労機会や就労訓練を提供する就労継続支援B型事業所「ライズ初芝」の運営です。
島谷竜一社長が福祉事業に関心を持ったきっかけは、まず自身の障がいにありました。生まれた時から抱えていた難病が原因で、高校生の時に緑内障を発症して片目の視力を失い、将来への不安しかなかった時に知人から掛けられた「君がその病気を持って生まれてきた理由は何なのか、君にしかできないことを成し遂げるためにその病気を持たせてくれたんやよ」という言葉に勇気をもらったといいます。
「その時点ですぐに福祉事業と思ったわけではないんですが、経済的に自立したいという思いは強く、古着のネット販売などをやったこともあります。一時、人間不信に陥っていた時に仕入れのために訪れたタイで、生きていくだけで精一杯の人たちの姿を見て、日本で生まれた自分が恵まれた環境にいることを実感しました。帰国後に、『勉強させてください』と福祉事業を展開している恩師の株式会社RISEGROUP代表取締役社長山川裕也さんのもとを訪ねたのが、現在の事業所を立ち上げるきっかけとなりました」。
希望者には、栄養バランスの取れたお弁当を提供。そのお弁当は他の就労支援事業者に委託している。 - 利用者のやりたいこと、できることを尊重した支援を
-
半年ほど事業所の運営について学んだあと、昨年7月に会社を設立。そして10月に南海高野線初芝駅の駅前に、就労継続支援B型事業所「ライズ初芝」を開設しました。
利用者さんが、障がいや体調にあわせて週2日から、無理のないペースでパソコンによるデータ入力や、袋入れ、箱の組み立てといった内職作業が行える就労支援を担っていますが、事業所が用意したメニューに限らず、自分の興味のある仕事ができるように支援している点に驚かされます。
「私たちは、その人の〝やりたいこと〟を尊重したいですし、〝できること〟を見つけてあげたいと考えています。例えば、私がやっていた古着ビジネスに興味を示した人にはやり方を教えています。実際に始めている利用者さんもいます。革製品づくりをしたいという利用者さんがいれば、その指導をしてくれる事業者さんを探してきます。こちらで用意した同じ作業をしてもらうほうが楽かもしれませんが、利用者さんのやりたいこと、できることをお手伝いしたいと考えています」。仕事内容によっては事業所に通わずに在宅ワークでもOKとしていることも同事業所の特徴です。
このような本人の意志を重視するのは、利用者さんに対してだけでなく職員に向けても同じ考え方です。
「現在、サービス管理責任者の資格取得者を含めて、私が期待している職員たちは、私がこの事業所を立ち上げる時の思いをじっくり聞いて共有してくれているメンバーです。将来、独立したいなら応援しますし、それぞれに新たな事業所を任せたいとも考えています」。
受託した製品の梱包作業は職員と利用者で行う。
企業から依頼されたパソコンを使う業務も職員から指導を受けた利用者がこなしている。 - 児童発達支援事業や放課後デイサービスも開始
-
同社ではこの秋からさらに事業を拡大します。まず9月に就労継続支援B型事業所をもう1カ所増やすほか、来年3月までに就労継続支援A型事業所を3カ所開設する予定です。そして、島谷社長が今後、新たに取り組みたいと考えているのが、障がいのある子どもたちのための児童発達支援・放課後デイサービスです。
「ある方と児童発達支援の本来の目的とは何かという話をした時に、実は訓練次第で一般の学校に通える子どもたちもいるのに、放課後デイサービスから就労継続支援へとレールに乗せられて選択肢を奪われているんじゃないかということに気付かされ、一人ひとりに向けた支援の大切さを感じたんです。児童発達支援・放課後等デイサービスを2024年12月オープンします」。
現在24歳の島谷社長がこうした攻めの事業展開ができるのは、山川社長をはじめ同社に投資している経営者たちがいるからだとか。だからこそ、いつかは自分もその役割を担いたいと語っています。
「6年後までに保育園、40歳までに高齢者施設を作って50歳で引退したら、養護施設の設立のための寄付をして応援をしたいと思っています。最近、子どもの頃から誰かを喜ばせることが好きだったことに気づきました。人を幸せにすることが自分の幸せにつながっていると感じます」。
経営のキモ

自身が障がいを持つ島谷社長が、障がい者支援に掛ける思いを共有し事業展開するために、管理者は就労支援事業の経験のある有資格者ですが、一般職員は敢えて未経験者を採用し社長の考えに沿って利用者に接していることが同社の特徴です。
株式会社 A.C RISE
| 代表者名 | 島谷 竜一 |
|---|---|
| 本社 | 堺市東区日置荘西町4-11-25 |
| TEL | 072-287-5231 |
| 設立 | 2023年設立 |
| 資本金 | 100万円 |
| 従業員数 | 10名 |
| 事業内容 | 就労継続支援B型、就労継続支援A型の運営 |
| ホームページ | https://acrise.group/ |
| さかしる掲載ページ | https://sakacil.com/detail/?id=25347 |
デジタルヒーロー合同会社
安定した公務員の身分を捨てて"0円DX"の支援事業を共同設立
代表工藤 匠一郎
- 理想とする生き方をあきらめさせない業務の効率化を「0円DX」で実現
-
「0円DX」で中小企業の業務効率化を支援するデジタルヒーロー合同会社。「みんなをあきらめさせないヒーローでありつづける」を使命に掲げています。
何をあきらめさせないのかといえば、非効率な業務のために、本当に大切な仕事や家族、趣味といった自分が理想とする生活のことだと工藤匠一郎代表。
「僕たちが強みとしているのは、プロジェクトの案件管理や営業数値管理などを一つのダッシュボードで見える化し共有することで業務の効率化を図り経営に活用いただくことですが、それがある程度まで無料のアプリケーションで実現できます。当社ではその手法を広めるための講演活動や実際の企業支援を行っています」。
もともと工藤代表が大学院を卒業後に勤めたベンチャー企業2社で、営業チームの数値の見える化や組織の効率的な運用のために無料ツールを活用したのが評価され、自分が当たり前に使いこなしているツールが意外と活用されていないことを知ったのが、現在のビジネスにつながっているといいます。当初は個人事業でのスタートでしたが、2021年9月に法人化する時に共同創業者として誘ったのが、高校時代の同級生の奥野真弥さんでした。
奥野真弥業務執行役員(共同創業者) - 月曜出社の憂鬱(ゆううつ)もなくなった元同級生との新規事業の立ち上げ
-
その時、奥野さんは公務員生活7年目。結婚を約束した女性もいました。
「最初は断りました。それで一度は工藤ともやっぱりやめようという話になったんですが、1ヶ月後にまた連絡が来てカフェで話をした時の風景は鮮明に覚えています。その日に覚悟を決めましたから。実際、最初に断ってから少し後悔していました。公務員を続けていれば安定しているけれど、10年後の姿も想像つく人生を選んだのかって(笑)」。
一方、工藤代表は断られた後に共通の知り合いから、本当に奥野さんをあきらめていいのかと言われた言葉に背中を押されて再度、声を掛けたのだと言います。今は結婚した奥様からも「毎日、まるで遊びに行くかのように楽しそう」と言われていると奥野さん。「”サザエさん症候群”も全くなくなりましたね」。
業務の効率化を支援する同社はもちろん、毎日が「ノー残業デー」。
商工会議所や税務署などでセミナーを開催して、「0円DX」の手法を惜しみなく発信している。 - 「真っ当に健康に世の中に貢献する」基本的な価値観を変えることなく
-
現在は、主に工藤代表が営業を担い、奥野さんが労務関係を担っているとか。顧客からの課題は2人でアイデアを出し合い、一緒に提案するシステムを組み立てています。
「お客様から2人揃ってデジタルヒーローだねと言われたこともあります。工藤は真剣になるとお客様の前でも恐い顔になることがあるので、その横で僕は優しい顔をして座っているようにしています(笑)。一度、僕が活用しているツールを選ばれたお客様から、その理由を僕の人柄が良いからと言われた時は嬉しかったですね。工藤と仕事をしているのが楽しい時にも思うんですが、結局誰と仕事をしているかが大事なんだと実感します。
工藤は、お客様の話から本質的な課題の解決に向けて真剣に取り組みます。そのために、時にはその課題解決のために必要なのは僕たちじゃないと他を紹介することもあるぐらいです。当社が基本的価値観として掲げる『真っ当に健康に 理想を諦めず世の中に貢献する』は、これからも僕たちのDNAとして大切にするべきことだなと思っています」。
経営のキモ

【今は価値観を共有できる人材を“一本釣り”で】
お客様から大切な情報を預かり、一度システムを作っただけでなく長く支援を行う責任ある事業展開を考えたら、そもそも個人事業はあり得ませんでした。そして今は、妙な資本主義に毒されていない当社の価値観を共有できる3人目の仲間を迎え入れたいと考えており、奥野同様、“ 一本釣り” する予定です。
デジタルヒーロー合同会社
| 代表者名 | 工藤 匠一郎 |
|---|---|
| 本社 | 堺市北区長曽根町130-42 さかい新事業創造センター327 |
| TEL | 072-275-5155 |
| 設立 | 2021年設立 |
| 資本金 | 10万円 |
| 従業員数 | 2名 |
| 事業内容 | 経営デジタル支援事業 |
| ホームページ | https://digital-hero.biz/ |
| さかしる掲載ページ | https://sakacil.com/detail/?id=25344 |
SAKAIもの新発見
株式会社ボンビアルコン
アレルギー体質にも配慮したグレイン&グルテンフリーのペットフード
ペット用品メーカーとして50余年の歴史を持つ株式会 社ボンビアルコン。犬・猫用の室内サークルやキャット ツリー、カートなど、数多くのオリジナル企画の製品を 世に送り出してきました。そして2015年から販売を開始 したのがペットフードです。「ペットの“食’'でも商品を 展開したいと思っていたところ、ペットの健康を考えた ヘルシーで栄養価の高いフードを100%自社工場で生産 しているというカナダのメーカーと出会い、日本の販売代理店になることにしました」と山本洋介社長。発売当時はペットフー ドとしては珍しかった穀物とグルテンが含まれない「グレイン&グルテンフリー」であることや、
「シングルプロティン」といって動物性タンパク 質源の原材料が魚や、チキン、オー ストラリアンラム、アヒル肉のどれか一種類であることが大きな特徴です。 EC事業部の山本寛太郎部長は「シングルプロティンは、 万一、ペットがアレルギーを発症した時にアレルゲンを 特定しやすいというメリットがあります。フードについては後発なので、こうした特徴あるフードに巡り会えた ことは幸運でした」と語っています。
| 代表者名 | 山本洋介 |
|---|---|
| 本社 | 堺市美原区木材通4-14-36 |
| TEL | 072-369-3111 |
| 設立 | 1954年創業 1970年設立 |
| 資本金 | 2,000万円 |
| 従業員数 | 18名 |
| 事業内容 | 自社のブランドのペット用品の企画・製造および販売、海外ブランドペット用品の輸入販売、その他ペットに関する業務 |