インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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自社開発の「魔法の箱」でこだわりの豆腐づくり 株式会社髙丸食品 代表取締役 髙落 翔平

豆腐づくりを熟知した自社でオリジナルの装置開発

 夏の冷奴から冬の鍋料理、さらには麻婆豆腐などの多彩な料理で、豆腐は私たちの食卓にとても馴染み深い食材です。それゆえに、スーパーの特価商品にも頻繁に登場しますが、髙丸食品では、こうした価格競争に巻き込まれないよう特色ある豆腐づくりを行っています。
 創業は戦後まもない1949年。その頃は個人事業として自宅の一角で、豆腐屋に卸す油揚げだけを製造していたといいます。豆腐は、近所にある個人経営の豆腐屋に鍋を持って買いに行くような時代でした。
 同社が豆腐づくりに乗り出したのは、現在地に本社工場を建設した6年後の1970年から。当時は、釜の大きさに応じた量を1回ごとに投入して煮込むバッチ釜が主流で、機械メーカーでもまだ、量産できる連続釜などを一般的に製造していなかったのでしょう。初代は自分で釜などの設備を作ったそうです。そして驚くことに、装置の自社開発は現在まで引き継がれ、連続煮釜をはじめ、揚げ生地の連続成形機や定量出汁充填機なども開発しています。機械メーカーから購入したものも、独自の改良を加えているとか。それを可能にしたのは、理学部出身の髙落実会長の存在です。
 髙落翔平社長は、「製造工程を理解しているのは機械メーカーでなく当社ですから、豆腐づくりに最適な装置は自社開発するのがベストと考えています。例えば、会長が"魔法の箱"と呼んでいる呉箱は、当社独自のもので、大豆をすり潰した"呉"を釜で煮る前に、この中でじっくり40℃ぐらいまで温度を上げています。大豆が熟成されて、旨味やコクを引き出すんですね」と語っています。


▲バッチ釜しかなかった時代から、自社開発した連続釜を使用。同社の高品質の豆腐づくりを支えてきた。

「面白いね」と言わせる、特色ある豆腐づくりで小売へ

 もちろん原材料についても、大豆は豆腐用に改良された品種から厳選し、使用する水は大豆の浸漬水にアルカリイオン水を、大豆の挽き水には地下水を念の為塩素で殺菌しさらに濾過、軟水器を通し、使用直前に活性炭で塩素も吸収し取り除く程のこだわりようです。
 こうして作られる同社の豆腐は当初、業務用として出荷されていましたが、今日では「豆富工房 仁徳」のブランド名を冠して小売にも注力しています。そこで、他社と同じことをやっていては、価格競争に陥ると、豆乳を25%も濃縮して大豆の旨味、栄養素をそのまま閉じ込めた「まったりとうふ」や、枝豆ペーストを贅沢に使用した「まったり枝豆とうふ」、黒ごまを多く使用した「黒ごま活き活きとうふ」など、特色ある製品を次々と送り出してきました。
 「これらの豆腐をバイヤーさんのところへ持って行くと、『おっ、面白いものを作っているね』と言われます。必死に売り込むのではなく、お客様が店頭に置きたくなるような製品づくりを行うことで、優位性を保ちたいと考えています」と髙落社長。そして、同社が目指すのは、こだわりの豆腐といえども滅多に買えない高級品ではなく、毎日の食卓で楽しんでいただける手頃な価格帯の豆腐づくり。得意先からの注文数が徐々に増えていくところで、手応えを感じているようです。


▲1日に1万個製造される厚揚げは、大豆と相性の良いなたね油で揚げられ、香りが良い。

消費者と直接つながる直営店やレストランの経営を

 食品メーカーとして留意していることを尋ねると、なによりもまず衛生管理との答えが返ってきました。髙落会長は「どれほど立派な設備を備えていても食中毒を出す企業はあります。その発生源はほとんどが製造従事者。衛生管理で重要なのは『人の教育』なんですね。当社では新しく入った人には、機械の扱いよりも前にまず衛生教育を行い、『衛生14則』の厳守を義務付けています」と話していました。
 また、売上の半分を占める病院給食や官庁会社給食で求められるのは、安定して製品を供給できること。機械が故障したからでは言い訳にならないと、日頃からの点検・メンテナンスはもちろん、ボイラーは予備を備えているということでした。
 昨年、三代目に就任したばかりの髙落社長は大阪府中小企業家同友会の経営指針セミナーや堺市産業振興センターのものづくり経営大学を受講。将来的なビジョンとして、自社でアンテナショップとレストランを運営することを掲げています。「もっと『豆富工房 仁徳』の認知度を高め、ファンを増やしたい。また、そこでお聞きした消費者の生の声を反映して、より喜ばれる製品づくりを行いたい」と語っています。


▲厚揚げの生地となる豆腐も大豆の風味が濃厚に生かされている。

▲にがりは、高知県室戸沖の深層水から作られたものを使用。薄揚げは、食べた時の口触りを考え、やわらかめに作られている。

株式会社髙丸食品

代表者名代表取締役 髙落 翔平
本社堺市北区百舌鳥赤畑町5-715
TEL072-252-0849
設立1949年創業 1991年設立
資本金1,000万円
従業員数60名
事業内容各種豆腐、油揚げ、厚揚げ、がんも、豆乳などの大豆加工食品の製造・販売
ホームページ http://www.tofu-kobo.co.jp/

貸会場のご案内 TEL 072-255-0111 FAX 072-255-3570 ご案内ページはこのボタンをクリック

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