インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

「堺かるた」の普及を全社で。 ホウユウ株式会社 代表取締役 田中 範子

堺市民に思い出深い「堺かるた」の復刻をサポート

 昭和50年代に堺市の小学生だった人たちには懐かしい「堺かるた」。全小学校に2~3冊ずつ配布され、地域の文化や歴史を学ぶ副教材として授業で使われたほか、休み時間には子どもたちが競ってかるた遊びに興じたそうです。ホウユウ株式会社の田中幸恵専務もその一人でした。「みんなが自分の得意の札の1~2句を暗誦していましたね」。
 もともとは、戦後まもなくから堺市の教員たちで発行されていた児童文化誌『はとぶえ』に連載された歴史コラムを、子どもたちにも親しみやすいようにとかるたにしたもので、句は公募され、絵は美術の先生たちが描き上げたものでした。競技大会も11年間開かれたということですが、やがて大会が終了。「堺かるた」で遊ばれることもなくなったのです。
 その「堺かるた」を復活させようという動きが数年前からおこり、昨年4月に「堺かるたの会」が発足。札の内容をそのまま復刻した新装「堺かるた」が発売されました。「堺かるたの会」の事務局を務め、かるたの製作や販売にも携わるホウユウでは、全社をあげて「堺かるた」の普及に取り組んでいます。


CSRを通して地域貢献の意識を全社で共有

 「当社では以前から、企画会社「つーる・ど・堺」を立ち上げ、2012年に紙カフェを開業するなど、地域の活性化に取り組んできましたが、それが専務を中心とする経営陣の動きにとどまっていました。地域の方に愛され、必要とされる"堺の町の印刷屋さん"をめざす当社としては、その意識を経営者だけでなく、社員全員で共有しなければいけないと考えています」と田中範子社長。折しも、堺市産業振興センターが開催したCSRセミナーに田中専務が参加。社員を巻き込んでのCSRの必要性や重要性を実感し、「CSR推進企業創出モデル事業」に応募しました。そこで取り組んだテーマが「堺かるた」の普及です。
 堺市産業振興センターから派遣された専門家を交えてのディスカッションでは、社員たちからさまざまなアイデアが出されたそうです。その一つが「ジャンボかるた会」でした。10m四方の中にA3サイズの札が44枚も並べられ、走るようにしてカルタ取りをする様子はまるでスポーツ。今年6月に開催された第1回の大会では、子どもたちも大いに盛り上がったとか。この札の製作は全て社員たちの手作りです。


企業の独自性を高め社員のモチベーションアップにも

 同社のCSRの取り組みは、堺かるたにとどまらず、今年の夏休みには子どもたちの自由研究をサポートする絵画や工作教室などを開催し、好評を博しました。なかでも子どもたちの関心を集めたのは、堺市文化財課の協力を得て行われた「堺市の文化財について学ぶ」教室でした。実際の石器で野菜を切る体験ができ、子どもたちは大喜びだったそうです。
 田中専務は「もともとCSRへの意識が高い印刷業界ですが、当社ではコンプライアンスは当然として、地域貢献に注力していきたいと考えてきました。CSRは中小企業こそが取り組む意義が大きいと思いますね。面白いことをやっているなと注目していただけますし、何より企業価値を高めることができるので、下請け企業として価格競争に巻き込まれることもなくなり、また、社員のモチベーションアップにもつながっています」と語っています。
 堺の名所や伝統工芸品などを図案化した「堺柄」も、堺の認知度アップと活性化を期待して同社が独自に企画作成し、商標登録をとったもの。現在、市内の百貨店や古書店、飲食店などで活用が広がっており、一つの事業に成長しつつあります。「攻めのCSR」の好事例といえるでしょう。

▲防災クッキーのパッケージや地元書店のブックカバーなどに幅広く展開されている「堺柄」。

これまでにない発想とやり方でひと味違う印刷会社をめざしたい

創業時から経営に携わってきた田中範子社長は、幸恵専務について「突っ走りすぎないよう心配する一方、印刷業界の旧来のやり方を覆す新しい発想でさまざまなことに取り組んでいるのを頼もしく思う」と語り、幸恵専務は、堺の活性化のために、これからも人の縁を結ぶ役割を担っていきたいと抱負を語っています。

ホウユウ株式会社

代表者名代表取締役 田中範子
本社堺区海山町 1-8-4
TEL072-227-8231
設立1975年設立
資本金1,000万円
従業員数13名
事業内容印刷全般、ホームページ制作 など
ホームページ http://www.for-you.co.jp/

貸会場のご案内 TEL 072-255-0111 FAX 072-255-3570 ご案内ページはこのボタンをクリック