インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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全天候型人工芝の開発で新しい事業領域に進出 日本絨氈株式会社 池﨑 博之 社長

安価な海外製品と対抗すべく高生産率と高品質を両立

明治維新から間もない1874年に泉州綿布業として創業した日本絨氈(株)。自社独自の製品づくりにこだわる社風はその頃からのものだと、池﨑社長は言います。
「かつては日本の外貨獲得に貢献した繊維業も、日米貿易摩擦から輸出規制されたり、早い時期から安い海外製品に押されたりして陰りを見せました。当社では、海外製品に取って代わられることのない高品質な製品を、しかも高効率に生産するタフト機を30年前に導入。高付加価値製品にシフトしたのです」。
さらに、「海外製品にコスト面でも対抗できるよう、原料のポリプロピレンを紡糸して糸からタイルカーペットを作る一貫生産を始めたのも、業界で当社が初めてで唯一」と今津行雄常務取締役は語っています。
こうしたなか、タフト機の導入によって新たに挑戦したのが全天候型人工芝でした。


▲1,500本もの針でパイルを植え込むタフト機で人工芝も製造される。

天然芝に近く雨にも強い、ロングパイル人工芝

同社の全天候型人工芝の特長の一つは、ロングパイルだということです。毛足が長いためにゴムのチップや砂などの緩衝剤を入れることができ、より天然芝に近い感覚でプレイできます。さらに、裏張りに使用しているのは、アメリカの大手化学会社と共同開発したウレタンバッキング。従来のSBRバッキングが水溶性で雨に弱かった点を克服したもので、屋外の雨の日のゲームでもパイル抜けの心配はなくなったといいます。しかも、耐久性を高めるために強度のある太デニールを使って製造できるのは同社だけ。より寿命の長い人工芝を実現しました。
「一定期間の養生が必要な天然芝に比べて、人工芝の長所はいつでも繰り返し使えることです。新設時にかかるイニシャルコストは天然芝よりも大きいですが、ランニングコストは10分の1以下。しかも天然芝は生育するために大量の水やりが必要ですから、人工芝は環境にもやさしいといえます。最近では世界的に人工芝の導入が増えていますね」と今津常務。


▲「ケガを恐れず思いっきり遊ぶことで運動能力が向上するという考えから、東京都港区や渋谷区の小学校で弊社の人工芝が導入されています」と今津常務。

個人向け商品の展開でニーズをつかむ感性を磨く

関西の「J-GREEN堺」やセレッソ大阪の舞洲グラウンドをはじめ、全国のサッカー場やラグビー場、テニスコート、総合グラウンドなどで多く採用されている同社の人工芝。こうした身近なところで使われていることは、同社への信頼や親近感にもつながる、と池﨑社長は話しています。
そして最近、同社では業務用での実績を活かし、個人ユーザーに向けた新しい商品開発にも積極的に取り組んでいます。例えば「ホームタイルカーペット」。グリップ力の優れた裏材の開発によって、ラグのように部分的に使えるようにしています。豊富なデザインやカラーバリエーションが、選んだりデザインしたりする楽しみも提供しています。「アレルギーの原因であるダニの死骸や埃、そして最近話題のPM2・5も空中に舞い上げないために体内に吸い込みにくいことや、高い遮音性が教育効果を上げるということも科学的に実証されています。さまざまなアイデアを発展させ、社会に求められる製品づくりをこれからも進めていきたいですね」と池﨑社長は語っています。


▲日本最大級の規模を誇るスポーツ施設「J-GREEN堺」の人工芝フィールド。


▲個人ユーザーに向けての販売を開始した「ホームタイルカーペット」。問い合わせも多く寄せられる注目商品だ。

日本絨氈株式会社

代表者 代表取締役 池﨑博之
本社 堺市西区築港浜寺西町8-12
TEL 072-268-0020(代)
設立 1874年創業 1956年設立
資本金 1億8,720万円
従業員数 100名
事業内容 繊維敷物およびタイルカーペット、人工芝などの開発 ・製造・販売
ホームページ http://japancarpet.com/

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